●金沢と連携さらに
黒部市宇奈月温泉開湯100周年記念オーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)弦楽四重奏コンサート(富山新聞社後援)は10日、同温泉街の市芸術創造センターセレネで開かれ、OEKの精鋭4人が能登半島地震の被災地復興を願う旋律を奏でた。黒部、金沢両市がタッグを組んだ誘客促進事業の一環で、両市は北陸新幹線敦賀延伸に合わせて連携をさらに強める。
開湯100周年と黒部、金沢両市の連携事業として企画され、能登半島地震を受けて復興応援の思いも込めた。宇奈月温泉には輪島市からの2次避難者約80人が滞在しており、希望者を招待した。会場に募金箱を置き、祈りをささげる曲をプログラムに組み込んだ。
第1バイオリンが青木恵音さん、第2バイオリンが若松みなみさん、ビオラが古宮山由里さん、チェロがソンジュン・キムさんのカルテットが出演、ベートーベンの華麗な四重奏曲を皮切りに、大河ドラマ「利家とまつ」のテーマやバッハらの叙情曲、東日本大震災復興支援ソング「花は咲く」、葉加瀬太郎さんの代表曲「情熱大陸」など多彩な楽曲を披露した。
アンコールに応えて「ふるさと」を演奏すると、市内外から集まった約50人が歌詞を口ずさみ、大きな爪痕が残る能登半島の再興に思いを寄せた。
冒頭、武隈義一市長が能登の復旧復興を支援する趣旨を語った上で、「北陸新幹線延伸を追い風に北陸全体の周遊観光を盛り上げていきたい」と金沢市などとの広域連携を一層推進する意欲を示した。
両市連携事業では昨年、「宇奈月温泉開湯100周年・北陸新幹線延伸シンポジウム」(富山新聞社、北國新聞社特別協力)を金沢市で開催、現在は17日までが会期の「黒部峡谷 日本画展」(同)を金沢21世紀美術館で開いている。新年度は、大編成のOEKコンサートをセレネで実施する。