玄関口彩る九谷と石椅子 小松駅で続々お披露目

九谷焼の絵皿について解説する作家(右)=小松駅

  ●人間国宝や作家18人手掛け

 北陸新幹線小松駅開業まで1週間を切った10日、駅改札内の柱と待合室を彩る地元作家の九谷焼作品と、地元産の石材を生かして駅東口広場に設置された椅子がそれぞれお披露目された。小松の文化や風土を伝える新たな玄関口の装いがほぼ整い、関係者は開業とともに幕を開ける郷土の新時代に期待を寄せた。

 九谷焼作品は、改札内コンコースにある柱2本の計4カ所を飾る陶板と、木場潟に打ち上がる花火をイメージした絵皿20枚。釉裏金彩(ゆうりきんさい)人間国宝の吉田美統氏、浅蔵五十吉氏をはじめとする小松美術作家協会の所属作家18人が手掛けた。

 協会役員やデザイナーらで構成する北陸新幹線小松駅「こまつの美」制作委員会が2021年1月から準備を進めていた。

 お披露目式では、制作委会長を務めた中田一於会長が、JR西日本と鉄道建設・運輸施設整備支援機構、市に対して感謝の言葉を述べ、各作品を作者が紹介した。宮橋勝栄市長が「日本一の駅になった。多くの方をお迎えして、小松の文化と芸術の力を発信したい」とあいさつし、新田寛之市議会議長が祝辞を贈った。

 市観光交流センター「Komatsu九(コマツナイン)」では、通路の展示ケースに、協会員からよりすぐった洋画など5分野10作品も飾られている。

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