岡山県倉敷市/庁舎等再編整備事業行政ゾーン整備基本設計公表/27年3月末に完成へ

岡山県倉敷市は7日、設計・施工一括(DB)方式で取り組んでいる「倉敷市庁舎等再編整備事業(行政ゾーン整備)」の基本設計を公表した。新設する防災危機管理センター棟(防災棟)は、本庁舎に調和する3層構成(免震構造採用)のデザインとするなど、本庁舎の基本コンセプト「緑の中の市庁舎」を継承し潤いある地域環境を形成する。業務は鴻池組・中国建設工業・久米設計・宮崎建築設計事務所JVが担当、2027年3月末に完成させる。
同事業は、市役所本庁舎敷地内(西中新田、敷地5万4977平方メートル)に防災危機管理センター棟を新設するほか、現本庁舎の長寿命化等改修、庁舎敷地などの再整備を行う。
防災棟は▽本庁舎の意匠を踏襲する瀟洒(しょうしゃ)で機能的なデザイン▽想定外も想定し、あらゆる災害に対応する強靱な防災庁舎▽機能的で維持管理しやすい環境配慮型庁舎-を設計コンセプトに設定。本庁舎に調和する3層構成のデザインとし、2階部分で本庁舎と連絡通路で結ぶ。災害対策拠点施設として免震構造を採用するほか、重要機能室を2階以上に配置。「緑の中の庁舎」を継承し、市木である「くすのき」が立ち並ぶプロムナードの確保、既存樹木の保全と併せて潤いのある地域環境形成を図る。BEMS(ビル・エネルギー・マネジメント・システム)を導入するなど環境配慮型の庁舎とする。規模は延べ6500平方メートル程度。
本庁舎の長寿命化等改修では、老朽化した電気・空調・給水設備の更新と高層棟屋上防水改修、環境対策・浸水対策で空調方式の個別化、高層棟屋上と低層棟窓の断熱改修を行う。地下の受変電設備や情報通信機器を防災棟上層階へ集約するほか、地下にある受水槽を新たに地上へ設置する。
外構施設は▽くすのきのプロムナード▽森の庁舎道、水と緑のテラス▽歩道-の整備がポイント。既存のれんがタイルを可能な限り緑地化し雨水流出を抑制するほか、フラットな歩行空間を確保。
既存緑地を一部拡張、将来整備される市民交流ゾーンまで合わせて緑がつながっていくよう計画する。「緑の中の市庁舎」として新たなエリアの顔を作り出す。
今後実施設計を進め、26年3月までに防災棟竣工、27年3月までに本庁舎長寿命化等改修工事、外構整備工事の完了を目指す。

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