恐竜イメージして…コーヒー焙煎体験施設が福井県にオープン 子どもの質問から着想

コーヒー豆の焙煎体験のデモンストレーション=3月6日、福井県福井市のジュラシックコーヒーラボ

 飲食店運営の葵観光(福井県福井市松本2丁目、田辺豊社長)は3月9日、同市板垣3丁目にコーヒー豆の焙煎体験施設をオープン。コンセプトは「恐竜のカヲリ」で、恐竜をイメージしてもらいながら味の想像を膨らませ、焙煎機を操作して自分好みの味づくりに挑戦できる。北陸新幹線県内延伸を機に全国へPRし、観光誘客につなげたい考え。

 施設名は「ジュラシックコーヒーラボ」。自社の焙煎所の有効活用を探る中、2年ほど前から構想を練っていた。専門家の助言を受けながら約500万円を投じて施設を整備。県観光連盟の観光地域づくり推進事業補助金を活用した。

 専用アプリが入った店のタブレット端末を操作し、まずは▽ティラノサウルス▽トリケラトプス▽ヴェロキラプトル―の3種の恐竜の中から好きな1種を選択。「ティラノなら力強さ、トリケラなら優しさなど、自分好みの香りと味わいの入り口」(田辺社長)としてイメージを膨らませた上で、スパイシー、フルーティーといった具体的な七つの特徴の中から最大二つを選ぶ。その後、それぞれの特徴の強さや、酸味や苦み、コクといった味わいを調整するという。

 7種の生豆による28通りのレシピを用意してあり、レシピに従い焙煎機を操作する。完成した豆はその場でひいて試飲し、味をチェックできる。

 デモンストレーションが6日行われ、女性2人が好みの味づくりに挑戦。試飲した2人はそれぞれ飲み比べ「味が全然違うのが面白い」などと感想を話していた。

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 コーヒーと恐竜の融合は「恐竜好きだったわが子が、恐竜のにおいについて質問してきたことに着想を得た」(田辺社長)という。同社は2021年、「恐竜のカヲリがするコーヒー」との名前でドリップバッグを発売し、勝山市の福井県立恐竜博物館のお土産として好評を得ている。体験施設はより好みの味を追求してもらおうと計画した。田辺社長は「福井駅周辺でなくても、新幹線延伸で盛り上がるスポットとなるようにしたい」と話す。

 体験時間は約90分。400グラム(コーヒー約40杯分)分で料金は1万2800円。焙煎済みの豆をブレンドする体験(100グラム分、6800円)もある。金~月曜の午前9時半からと、午後2時からの2回。3日前までの予約が必要。問い合わせは同店=電話0776(35)4900。

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