[交通問題] バイクはオービスに引っかかるのか? 引っかかりにくいのか?

「バイクはクルマとは違って、オービスに引っかからない」…こんな噂を耳にしたことがある人もいるかもしれません。はたしてこの噂は本当なのでしょうか。また、なぜバイクの場合はオービスに引っかからないと言われているのでしょうか。

●文:ヤングマシン編集部(Peacock Blue K.K.)

バイクはオービスに引っかかることはない!? ウワサの真相とは…

「オービス(速度違反自動取締装置)」とは、速度違反を自動で検知し、証拠となる写真を撮影する高度なシステムのこと。オービスのカメラは、とくに速度違反が頻繁に発生する高速道路/主要道路に設置されており、違反車両を効率的に特定するために設計されています。

そんななか、昔から多くのライダーの間で、「オービスが2輪車には効果がない」という話が噂されてきました。

この噂は本当なのでしょうか。警視庁の交通相談コーナー担当者は、バイクのオービス検知について次のように話します。

「オービスは、違反車両のナンバープレートやドライバーの顔を撮影し、それを基に違反者を特定する仕組みです。バイクの場合、前方にナンバープレートがない上、ライダーの顔もヘルメットで隠れているため、オービス単独での特定は難しいと言えます」

つまり、オービスでバイクの速度超過を取り締まることは難しいようです。しかしこれは、オービスがバイクに対して完全に無力であるということを意味しません。

オービスの構造上、バイクはオービスに引っかかりにくいことは事実なようだ

速度違反は道路交通法によって禁じられており、違反した場合、厳しい罰則があります。

たとえば一般道での30km/h以上の速度超過では、違反点数6点/30日間の免許停止/6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される場合があります。また、重大な違反に対しては刑事責任が問われ、前科が残ることもあります。

オービスによる取り締まりは、速度超過の取り締まり方法のひとつにすぎず、違反の取り締まりには白バイ/パトカー/定置式の速度取締装置など、オービス以外にも多くの手段が存在します。

バイクがオービスで直接的に取り締まりにくい状況であったとしても、違反行為が完全に見逃されるわけではありません。実際に、過去にはオービスによって撮影された画像を基に、悪質なライダーが後日逮捕された例もあるようです。

これらの例からも、オービスがバイクに対して無力ではないことが明らかであり、実際に撮影された場合はその画像から犯人を特定することも可能と言えます。

オービスの有無関係なく、いつどこでも安全に走行することを心がけたい

また、オービスから逃れやすいからと言って、決して安心して違反を犯してよいという意味ではありません。ねずみ取りや白バイによる追跡、オービスによる画像の撮影といった多角的な取り締まりが存在するため、ライダーは常に法令を遵守し、安全運転を心がける必要があります。

速度違反は、単に罰則を受けるリスクだけでなく、自身や他人の命を危険に晒す行為であり、オービスやそのほかの交通取締装置は、私たちの安全を守るために設置されているのであることを忘れてはいけません。

「バイクがオービスに引っかからない」というウワサに惑わされることなく、ライダーひとりひとりが法規を守り、安全な運転を心がけることが大切です。

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