マイナンバーカードを使った避難所の効率化実証実験 カードの持ち歩き、読み取り機など課題は山積

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、デジタル庁と神奈川県が実施したマイナンバーカードを使った避難所運営の実証実験について取り上げました。

◆マイナンバーカードで避難所運営をデジタル化

災害時における避難所のデジタル化を目指し、デジタル庁と神奈川県が実証実験を実施しました。今回の実験は、大雨で川が氾濫し、複数の自治体の住民に避難が呼びかけられた想定で行われ、入所手続きにマイナンバーカードが活用されたほか、デジタル庁が試作したアプリやLINEに避難者が体調などを入力することで自治体が避難者の情報を一括管理できる仕組みなどの実験も行われました。

入所手続きに関しては、手書きとマイナンバーカードを使った場合、手書きは5分以上、マイナンバーカードを使うと30秒程度で行えたということです。

避難先の把握が難航した能登半島地震の教訓を踏まえ、被災者が自分の位置情報を登録できる機能も加えられており、デジタル庁は自治体などにアプリを提供する方針です。

また、能登半島地震ではマイナンバーカードの読み取り機の準備が間に合わず、利用状況の把握にはSuicaを使用しました。デジタル庁は今後に備えて、マイナンバーカードの読み取り機の確保を図るとしています。

◆スタジオではSuicaを推す声も

今回の実証実験に対し、経済ジャーナリストの荻原博子さんは、「なぜマイナンバーカード(を使うのか)? (能登半島地震でも使用された)Suicaでいいのでは?」と否定的。

落語家の林家三平さんも「(Suicaは)お年寄りでも使える、素晴らしいと思う。でも、マイナンバーカードは登録の仕方がわからないというお年寄りもまだ大勢いるので、今後はどういうふうにバランスを取っていくのか」と案じます。

段持ち歩くものなのか? 内閣府と総務省(のWebサイト)を見たら"持ち歩いても大丈夫”とあり、そもそも持ち歩くべきなのかちゃんと教えてもらいたい」と意見しつつ、「(被災して)停電しているときに読み取り機がどこまで機能するのか?」と疑問を呈します。

キャスターの田中陽南は、今回の実証実験では入所手続きにかかる所用時間が、マイナンバーカードのほうが大幅に短縮できていることに加え、健康保険証や口座情報も紐づいていることから、マイナンバーカードの活用には異論はないとしつつも、「(マイナンバーカードの機能を全ての)スマホに入れてほしい」と主張。現在、マイナンバーカードの電子証明書機能はAndroidのスマホのみ搭載可能とあって、Android以外のスマホにも対応されることを望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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