岩手県の復興ハード整備事業、残りは閉伊川水門(宮古)のみ

東日本大震災の復興ハード整備事業で唯一工事が続く閉伊川水門=9日、宮古市(本社ドローンで撮影)

 岩手県の東日本大震災被災地の復興ハード整備は787カ所で完了し、3月時点で残るのは閉伊川水門(宮古市)の1事業となった。工期が延びていた大船渡市の普金海岸防潮堤が昨年12月に運用開始。閉伊川水門は2027年3月の完成を見込む。震災発生から13年を前に、海岸保全施設や復興道路など社会基盤の整備はほぼ完了した。

 県内のハード整備は22年度以降、大船渡、宮古、山田、田野畑の4市町村で10事業を終えた。普金海岸防潮堤は、資材の納入遅れなどで工期を延長していたが、昨年12月に陸こう機能が整った。

 県と市町村事業で残るのは3度にわたり工期が延長された閉伊川水門のみとなる。県が整備する延長約160メートル、高さ約40メートルの水門は13年度に着工。当初は15年度の完成を予定していたが、川底で巨大な石が多数見つかったことなどから工法を変更した。総工費は約420億円で、計画より大幅に膨らんでいる。

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