タップインのはずが…松山英樹は“お先”外して流れ失う「もったいない一打」

要所でパットを決めきれず松山英樹は逆転への流れを失った(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇アーノルド・パーマー招待 最終日(10日)◇ベイヒルクラブ&ロッジ(フロリダ州)◇7466yd(パー72)

逆転への望みは思わぬ一打で小さくなった。開始からパーを並べて迎えた前半8番、松山英樹の7mのバーディパットは60cmショートした。続けて臨んだ同じ下りのパーパット。“お先”ではたいたボールはカップに沈まず、まさかの3パットボギー。「もったいない一打で完全に流れを失ってしまった」と不用意なストロークを敗因に挙げた。

目指したのは3週前の「ジェネシス招待」に続く招待試合での2連勝。首位に2打差の4位から出た序盤はスコアを伸ばしあぐねた。ティショットをグリーン右手前のバンカーに入れた7番(パー3)で、2m強をねじ込みピンチを回避したからこそ、続くホールでのボギー先行が悔やまれる。

「ファーストパットがきょうずっと思い通りに行かなかった。7番で良いパットを打ってパーセーブできたので、そのまま流れに乗れると思ったが、思うように(8番バーディパットを)打てなかった。その流れで打ってしまって外してしまった」

体の痛みは癒えたかに見えたが…(撮影/田辺安啓(JJ))

最終組のスコッティ・シェフラーが混戦をひとり抜け出て、挽回を求められた後半は11番でやっとバーディ。4mのスライスラインを読み切ったが、続く12番は深いラフからの脱出に苦労しパー5で痛いボギーをたたいた。さらに13番、残り147ydの第2打はグリーン右手前の池へ。「悪くはなかったが、ちょっとしたズレが大きくなって、ああいう結果になったんじゃないかと思う」と“万事休す”と言えるダブルボギーをたたいた。

「76」で通算3アンダーの12位。故アーノルド・パーマーが残した大会で、2016年以来2回目のトップ10入りも逃した。開幕前から悩みのタネだった腰痛、前日3日目に感じた左手首の痛みへの恐怖心は、最終日は軽減された様子だった。それでいて、パーオン成功が10ホールとチャンスメークに苦労し「壊れましたね。自分のゴルフが。それだけです」と不出来を嘆いた。

第5のメジャーに向けて手ごたえはあるはず(撮影/田辺安啓(JJ))

次週は“第5のメジャー”「ザ・プレーヤーズ選手権」。オーランドから2時間強、車を走らせてTPCソーグラスへ向かう。「良い位置で回れたのは良かったが、来週に切り替えて良い準備をしたい」。苦手意識のあったベイヒルで、勝者に贈られる赤いカーディガンに近づいたのは事実だ。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン