買い物難民解消へ公共交通を活用 大分大生が豊後大野市で社会実験【大分県】

スマートフォンのテレビ電話機能を使い、公民館にいる高齢者と商品についてやりとりする学生=昨年11月20日、豊後大野市大野町田中のスーパー
社会実験の結果を報告する大分大経済学部の学生=豊後大野市役所

 【豊後大野・大分】大分大経済学部3年生が豊後大野市と連携し、公共交通を活用して買い物難民を解消する社会実験に取り組んだ。

 高齢化率約75%で、中山間地にある市内大野町土師地区で実施。昨年7月に各世帯を回って地域の困り事を調査し、「商業施設に行き、店内を歩くのが身体的につらい」「離れて住む家族に買い物を頼んでいる」などの声を聞き取った。

 11月には地元の高齢者に相乗りのタクシーで公民館に集まってもらった。学生は数キロ離れたスーパーに行き、公民館とスマートフォンのテレビ電話で映像をつなぎやりとり。高齢者が画面越しに選んだ商品を購入し、タクシーで公民館に運んだ。

 高齢者は「商品を自分で選べて楽しい」「重い物を運ばなくて済み便利」、店側も売り上げ増加につながると好評だった。

 学生は実験結果をまとめ、2月中旬に市役所であった市地域公共交通活性化協議会で報告。「機器の準備や操作が必要で、誰が買い物支援や精算をするかといった課題はあるが、それをしのぐメリットがある」と述べた。

 発表した大久保遥星(はるせ)さん(20)は「公共交通を活用することで困り事を解決し、持続可能な地域づくりに役立てられるのでは」と話した。

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