震災と原発事故を語り、防災を考える 福島県楢葉町でシンポ

震災犠牲者を追悼し、じゃんがらを披露する子どもたち

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の教訓を語り継ぎ、防災について考える福島県楢葉町のシンポジウム「3.11・つなぐ・未来。」は10日、町コミュニティセンターで開かれた。トークセッションや、楢葉小の児童による防災学習の成果発表などを通して防災への意識を高めた。

 トークセッションでは、町内の大谷じゃんがら念仏保存会の坂本洋会長らが登壇した。じゃんがら念仏踊りが震災による中断を経て、2020(令和2)年夏に復活したことに触れ「災害に負けず伝統芸能を受け継いでいく」と誓った。保存会のメンバーや子どもたちとともに震災の犠牲者を追悼し、じゃんがら念仏踊りを披露した。町消防団の小薬金重団長も震災当時の活動を振り返りながら、町民の安心と安全を守る決意を披露した。

 子どもたちは昨夏、岩手県陸前高田市で地元の児童と交流した体験などを発表し、「震災を経験した町内外の人々とのつながりを大切にしたい」と話した。災害時の対応などを考えるゲーム「クロスロード」も行われた。

 町は3月5日から11日までを「ならは防災と伝承週間」と定め、町一体となって防災意識の醸成などに取り組んでいる。

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