ノボノルディスクの肥満症薬、FDAが心血管疾患に適応拡大

Patrick Wingrove Sriparna Roy

[8日 ロイター] - 米食品医薬品局(FDA)は8日、デンマークの製薬大手ノボノルディスクの肥満症治療薬「ウゴービ」について、糖尿病ではないが太り過ぎか肥満の成人における脳卒中と心臓発作のリスクを下げる医薬品として承認した。

ノボノルディスクは昨年11月、ウゴービを投与した患者群はプラセボ(偽薬)群と比較して、心臓の持病を持つ患者で非致死的心臓発作リスクが28%、非致死的脳卒中リスクが7%、心臓関連死リスクが15%それぞれ減少したことを示す大規模臨床試験の全データを発表した。

研究者らは、被験者1万7604人、平均投与期間33カ月の試験で、心臓保護効果における差はウゴービ投与群では、治療開始後ほぼすぐに表れ始めたとし、この効果は体重減少だけによるものでないことを示唆した。

肥満ないし太り過ぎの患者は心血管死、心臓発作、脳卒中の発症リスクが高い。FDAの糖尿病・脂質疾患・肥満症部門のディレクター、ジョン・シャレッツ氏は、心血管系リスクを低下させることが証明されている治療の選択肢を提供することは、公衆衛生にとって大きな進歩だと述べた。

スタンフォード大学の心臓専門医、チャド・ウェルディ博士は、循環器領域としてこれらの治療法を全面的に臨床に取り入れ、用量の増量、副作用、保険承認などを管理する臨床ワークフローを構築する必要があると指摘した。

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