前代未聞!幕末の一大おもてなし 「和宮降嫁」本庄宿の舞台裏にスポット当てた企画展 本庄で25日まで

残されている和宮の宿泊記録「田村本陣休泊控帳」(埼玉県本庄市教委文化財保護課提供)

 埼玉県本庄市銀座1丁目の旧本庄商業銀行煉瓦(れんが)倉庫で、企画展「幕末本庄宿のおもてなし~和宮宿泊の舞台裏~」が25日まで開かれている。幕末の本庄宿の様子や孝明(こうめい)天皇の妹和宮降嫁への宿場の対応ぶりにスポットを当てて紹介している。

 本陣は宿場で大名や幕府の役員などが休息したり、宿泊していた宿。本庄宿には田村本陣と内田本陣があったことで知られる。

 田村家が寛永19(1642)年から文久3(1863)年までの約220年間を記録した「休泊控帳」が現存する。

 和宮は14代将軍徳川家茂に嫁ぐため文久元年10月20日に京都を出発した。中山道を使い同年11月11日に田村本陣に宿泊して江戸に向かった。休泊控帳内に、その宿泊も記されている。

 企画展では、宿泊前後の様子を文書や写真パネル計約20点を展示して伝えている。文久元年4月には田村本陣の図面が幕府へ提出され、7月には和宮が通行する往還の検分が行われている。8月には幕府関係者が本陣へ泊まるようになり、10月になっても建物の敷居や鴨居(かもい)を新しくするよういわれるなど何か月も前から入念な準備が行われていた。

 和宮が田村本陣を出発しても、行列の人数の多さから一部が本庄宿で宿泊するなど、本陣側も大変な事態に苦労したという。

 企画展の担当者は「宿泊記録から前代未聞の事態への本陣側の対応を見てほしい」と話している。

 会期中は無休で午前9時~午後7時。入場無料。16日午後1時半~同3時、担当学芸員による講演会が本庄早稲田の杜ミュージアムで行われる。費用は無料で、事前の申し込みが必要になる。

 申し込み・問い合わせは同ミュージアム(電話0495.71.6878)へ。

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