仏大統領、「人生の終末」法案を支持すると表明

Elizabeth Pineau John Irish

[パリ 10日 ロイター] - フランスのマクロン大統領は10日、末期がんなどで余命が限られると診断されている成人に限って安楽死や自殺ほう助を法律で認めることを支持すると初めて表明し、こうした措置を盛り込んだ「人生の終末」法案を5月に議会へ提出するよう政府に求める方針を示した。同国紙リベラシオンのインタビューで語った。

近隣のスイス、ベルギー、オランダは一定の条件下で安楽死を認める法律が施行されているが、フランスはカトリック教会からの圧力もあり、法制化には至っていない。

フランスでは2016年に患者の意識を低下させる鎮静剤投与を医師に認める法律が成立したが、対象は終末期患者に限られている。

マクロン氏は新たな法案について「厳格な条件下で自殺のほう助を要請する可能性に道を開く」と指摘。対象者はこうした条件を満たす必要があり、判断が正しいかどうかについて医療チームが検証するとともに基準を確認すると説明した。

決定に対しては患者の家族が異議を申し立てることができるという。

法案は、この問題について議論するために無作為に指名された184人のフランス市民グループによる作業に基づいて策定される。グループは昨年に作業を完了しており、76%は死亡を望む人に対し何らかの形での自殺ほう助を認めることに賛成だった。

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