《解説・千代田町長選》財源確保や企業誘致が評価得る

 8年ぶりの選挙戦となった群馬県千代田町長選は現職の高橋純一氏が3選を果たした。ふるさと納税制度を活用した財源の確保や企業誘致など、2期8年の実績が町民の評価を得た形だ。

 ふるさと納税は、地元にあるサントリーのビール工場製品を返礼品に活用。22年度の受け入れ額は県内最多の30億円と20年度から10倍以上に増え、各施策の原資になっている。2期目に造成を進めた「千代田第二工業団地」も全区画の分譲契約が完了した。

 告示1週間前に対立候補の出馬が判明し、陣営内には驚く声もあったが、こうした成果や着実に固めてきた組織の力を背景に新人を寄せ付けなかった。

 ただ、一方で町人口はピークの1995年に比べて1割弱減少し、特に15歳以下が30年余りで半減するなど歯止めが利かない。町と埼玉県熊谷市をつなぐ地元悲願の「利根川新橋」もようやく事業化に向けた県の予算計上が始まった段階で、今後は早期着工に向けた近隣市町村との連携が重要となる。

 経済的な追い風を生かしつつ、こうした課題をいかに前に進め、町民の期待に応えていくのか手腕が試される。

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