沖縄署を襲撃した23歳の暴力団組員に実刑判決 那覇地裁「集団による器物損壊を想定して人を集めた」

 2022年1月の沖縄署襲撃事件で、暴力行為等処罰法違反(集団的器物損壊)などの罪に問われた指定暴力団旭琉會二代目沖島一家組員で住居不定無職の男(23)の判決で、那覇地裁(小野裕信裁判長)は11日、懲役2年4月(求刑懲役4年)を言い渡した。

 小野裁判長は関係者供述から「被告が当初から集団による器物損壊を想定して人集めを指示したことは揺るぎなく認められる」と指摘。襲撃事件に事前共謀はなく自然発生的に起きたなどとした弁護側の主張を退けた。

 襲撃事件は22年1月27日未明に当時沖縄署巡査だった男性警察官の警棒がバイクを運転中の高校生に接触した失明事件が発端。数百人が集まり一部が投石するなどし、少年ら計15人が摘発された。警察官は業務上過失傷害罪に問われ、24年1月に罰金100万円の一審判決が確定した。

 被告側はこれまで襲撃事件について事前共謀はないなどと訴え、無罪を主張。覚醒剤取締法違反や大麻取締法違反、道交法違反など他の起訴内容は認めて寛大な処罰を求めていた。

 これまでの公判で、検察側は被告が襲撃事件の首謀者だとし、警察官による高校生失明事件が動機でも「正当化する事情にならない」と指摘。弁護側は「襲撃は自然発生的に起きたもので共謀などは存在しない」としていた。

(資料写真)那覇地裁

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