難関「1級海技士」に2人合格! 島根・隠岐水産高 全国の水産高校で年間1~2人の狭き門 海上のプロへ夢膨らませる

横断幕の前で合格を喜ぶ服部睦己さん(左)と山中勇輝さん=島根県隠岐の島町東郷、隠岐水産高校

 島根県立隠岐水産高校専攻科(島根県隠岐の島町東郷)2年の2人が、船舶免許で最難関の1級海技士の筆記試験に合格した。海技士は船員として働くために必要な国家資格で、1級合格は全国の水産高校で年間1~2人の狭き門という。4月に社会に出る2人は、海上のプロフェッショナルを目指し、意を新たにしている。

 航海部門で合格した服部睦己(むつき)さん(20)=島根県西ノ島町出身=と、機関部門で合格した山中勇輝(いさき)さん(20)=兵庫県出身。2人は2級海技士に合格し、昨年10月から勉強に励んだ。

 試験は法規や英語など4科目あり、服部さんは「専門的な知識が多く、先生に聞きながら知識を身に付けた」と振り返り、山中さんは「特に英語が難しく、ひたすら問題を解いた」という。

 2月に受験し、同月29日に合格通知が届いた。1級の免許を取得するには、乗船履歴などの条件を満たすとともに口述試験での合格が必要となる。水産庁に入る服部さんは「周りをしっかり確認し、作業と航海を円滑に進める船長になりたい」と話し、海運会社に就職して世界各地を渡り歩く外航船に乗る山中さんは「工務監督を目指したい」と夢を膨らませた。

 島根県内ではこのほか、浜田水産高校専攻科2年の岸田真宙(まひろ)さん(20)=大阪市出身=も機関で筆記試験に合格した。

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