2024年F1第2戦、フェルスタペンが他を寄せ付けることなく開幕2連勝、通算56勝目【サウジアラビアGP】

2024年3月9日(現地時間)、F1世界選手権第2戦サウジアラビアGPが西部のジェッダ市街地サーキットで開催され、レッドブルのマックス・フェルスタペンが優勝。2位にはセルジオ・ペレスが入り、レッドブルが2戦連続の1-2フィニッシュを達成した。

フェルスタッペンまたも完勝、100回目の表彰台

前戦のバーレーンに続いて、またもレッドブルRB20がライバルチームを寄せつけない圧倒的なレース展開を見せつけた。

ファステストラップップこそ逃したが、ほぼ完璧にレースを制したレッドブルのマックス・フェルスタペン。F1参戦187戦にして、通算56勝、100回の表彰台を記録した。
50周の決勝レースは気温は25度、路面温度は29度というコンディションでスタート。

3位にはフェラーリのシャルル・ルクレールが入った。虫垂炎で欠場のカルロス・サインツに代わって急遽フェラーリからF1デビューを果たした18歳オスカー・ベアマンは7位で初入賞。予選9位だった角田裕毅(RB)はトップ10内を狙えるポジションを走っていたものの、セーフティカー後の混戦でハースのケビン・マグヌッセンを抜きあぐねたのが響き15位に終わった。

前日の予選で2位のルクレールに0.3秒以上の大差をつけて2戦連続のポールポジションを獲得したフェルスタッペンは、スタートで無難にターン1までの攻防を制すると、その後は“いつも通り”のペースで瞬く間にDRS圏外へと後続を突き離す。

レースは6周目にランス・ストロール(アストンマーティン)が単独クラッシュし、翌周にセーフティカーが出動したことでほとんどのドライバーがハードタイヤへの交換のためにピットへ。フェルスタッペンはピットインをせずステイアウトしたランド・ノリス(マクラーレン)に続き2番手でコースに復帰することになったが、13周目にはあっさりと首位を奪い返すと、そのまま他のドライバーを寄せ付けることなく開幕2連勝へと駆け抜けた。

レース後は「(セーフティカーで)予定以上に長い第2スティントになってタイヤが心配だったけど、うまくマネージメントできた。終盤はバックマーカーに引っかかったせいでタイヤが冷えちゃって、最速ラップを取れなかったことが少し残念」と余裕を見せた。

ペレスもペナルティを克服して難なく2位を確保

一方、3番グリッドからスタートしたチームメイトのペレスは、4周目のターン1でペルクレールを攻略。タイヤ交換時のアンセーフリリースで5秒のタイムペナルティを課されたものの、ルクレールを大きく引き離してフィニッシュ。こちらも難なく2戦連続の2位を確保している。

レッドブルにとって、F1参戦371戦にして、115回目の勝利、30回目のワン・ツー・フィニッシュとなった。

カルロス・サインツに代わって急遽フェラーリから出場した18歳のベアマンは、11番グリッドからソフトタイヤでスタートすると、徐々に順位を上げて7位までポジションアップ。終盤はステイアウトしていたノリス、ハミルトンの猛追を受けたが、後続とのギャップを守って逃げ切った。

角田裕毅は予選を9番手で終えて決勝レースに期待がかかったが、交換したハードタイヤでのペースが伸びず、前車をとらえることがままならず、14位でフィニッシュ。さらにレース後、ピットアウト時の危険行為でペナルティを受けて15位に降格した。

サウジアラビアGPのタイヤ戦略。ほぼ全車がミディアムタイヤでスタート、7周目にセーフティカーが導入されたため、変則的な1ストップが主流となった。

タイヤを供給するピレリは「スタートでは20人のドライバーのうち18人がミディアムタイヤを選択しました。1ストップが最速の戦略となることはレース前からわかっていました。7周目にセーフティカーが導入されたため、第2スティントが長くなりますが、ほとんどのドライバーがハードタイヤを選択、そのハードタイヤがうまく機能しました。 4人のドライバーがステイアウトしてチャンスを待ちましたが、結局、ヒュルケンベルグが33周目、ハミルトンが36周目、ノリスが37周目、周は41周目にタイヤ交換することになりました。 チェッカーを受けたドライバーのうち、2ストップはボッタスだけでした」と分析している。結果論ではあるが、ソフトタイヤでスタートして、7周目にハードタイヤに交換するのが、最良の戦略だった。

次戦第3戦オーストラリアGPは、3月24日、メルボルンのアルバート・パーク・サーキットで開催される。(文:新村いつき)

2024年F1第2戦サウジアラビアGP リザルト

2024年F1第2戦サウジアラビアGP決勝 結果

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル・ホンダRBPT)50周
2位 11 S.ペレス(レッドブル) )+13.643s
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)+18.639s
4位 81 O.ピアストリ(マクラーレン・メルセデス)+32.007s
5位 14 F.アロンソ(アストンマーティン) +35.759s
6位 63 G.ラッセル(メルセデス)+39.936s
7位 38 O.ベアマン(フェラーリ)+42.679s
8位 4 L.ノリス(マクラーレン・メルセデス)+45.708s
9位 44 L.ハミルトン(メルセデス)+47.391s
10位 27 N.ヒュルケンベルグ(ハース・フェラーリ)+76.996s
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15位 22 角田裕毅(RB・ホンダRBPT)+1L
16位 3 D.リカルド(RB・ホンダRBPT) +1L
ファステストラップ 16 C.ルクレール(フェラーリ)

2024年F1ドライバーズランキング(第2戦終了時)

1位 1 M.フェルスタッペン(レッドブル) 51
2位 11 S.ペレス(レッドブル)36
3位 16 C.ルクレール(フェラーリ)28
4位 63 G.ラッセル(メルセデス)18
5位 81 O.ピアストリ(マクラーレン)16
6位 55 C.サインツ(フェラーリ )15
7位 14 F.アロンソ(アストンマーティン)12
7位 4 L.ノリス(マクラーレン)12
9位 44 L.ハミルトン(メルセデス)8
10位 38 O.ベアマン(フェラーリ)6

2024年F1コンストラクターズランキング(第2戦終了時)

1位 レッドブル 87
2位 フェラーリ 49
3位 マクラーレン 28
4位 メルセデス 26
5位 アストンマーティン 13

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