団子木集めて厄払い 寒河江・幸生、伝統行事

子どもたちが団子木を集めて無病息災を祈願した病送り=寒河江市幸生

 無病息災を願う寒河江市幸生地区の伝統行事「病(やんまい)送り」が10日、同地区で行われた。お囃子を奏でながら地元の子どもたちが玄関先に飾られた団子木を回収した。

 同地区が銅山で栄えた江戸時代末期にはやり病を追い払うために始まったとされ、160年ほど続く。住民は疫病神に見立てた鬼を描いた紙、赤トウガラシ、木炭を装飾した団子木を用意した。地元の小中学生、地区住民が笛や太鼓を演奏し、約80人の行列が地区内を一軒ずつ回った。

 一行は1時間ほどかけて約3キロを練り歩き、回収した団子木約90本のうち数本を最後に熊野(ゆうの)川に流して厄払いをした。菊地吉彦区長(67)は「厳しい時代が続くが、平和を願って行事も受け継いでいきたい」と話した。回収役を務めた白岩小3年菊地春華さん(9)は「みんなが病気をしないで過ごしてほしい」と願いを込めていた。

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