『オッペンハイマー』35mmフィルム版公開決定 IMAX、Dolby Cinemaとの同時先行上映も

3月29日に全国公開されるクリストファー・ノーラン監督最新作『オッペンハイマー』。すでに発表されているIMAXに続き、Dolby Cinema、35mmフィルム版の同時公開が決定した。

本作は、第二次世界大戦下、世界の運命を握ったアメリカの理論物理学者オッペンハイマーを描いた実話に基づく物語。原子爆弾の開発・製造を目的とした「マンハッタン計画」の最高責任者である陸軍のレズリー・クローヴス(マット・デイモン)から極秘プロジェクトへの参加を打診され、その研究施設であるロスアラモス国立研究所の所長を務めたオッペンハイマー(キリアン・マーフィー)。マンハッタン計画を遂行した後、原爆投下による惨状を知り、その破壊力に対して苦悩することになる。

オッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィーをはじめ、エミリー・ブラント、マット・デイモン、ロバート・ダウニー・Jr.、フローレンス・ピューらがキャストに名を連ねた。

ノーランは本作で、IMAX 65ミリと65ミリ・ラージフォーマット・フィルムカメラとを組み合わせた、最高解像度の撮影を実践。また、本作のためだけに開発された65ミリカメラ用モノクロフィルムを用い、史上初となるIMAXモノクロ・アナログ撮影を実現させた。フィルム撮影にこだわり続けるノーラン監督の作品を特別な質感で鑑賞できる35mmフィルム版、そして最先端技術による映像と音響で没入感が味わえるDolby Cinema版が、3月29日の日本公開初日より同時公開されることも決定した。

また、史上初の3劇場同時開催となる、IMAX、35mmフィルム、Dolby Cinemaの特別先行上映、トリプルTOKYOプレミアの開催も決定。TOHOシネマズ 新宿にてIMAX版、109シネマズプレミアム新宿にて35mmフィルム版、新宿バルト9にてDolbyCinema版が、それぞれ3月25日19時より特別先行上映される。

ノーラン監督はIMAXとフィルム撮影について「私たちは、オリジナル・ネガの粒状感や質感、アナログ的な色彩を35mmに凝縮した非常に効果的な35mm版を制作しました。それは、観客の皆さんに観ていただける素晴らしい上映フォーマットです」とコメント。そして、「35mmプリントを上映し、観客にアナログ体験を提供できる場所がまだ世界にあることに、私はとても興奮しています。なぜなら、映像の奥行きや色の表現が重要だからです。それは、観客がもっと没入感のある体験をすることを可能にし、映画の世界にもっと入り込むことができるのです」とラージフォマットの可能性について語った。

IMAX版では2種類のアスペクト比(画角)を使用しているというノーラン監督は、「『ダークナイト』(2008)以来、私はIMAX上映用に複数のアスペクト比を採用してきました。その理由は、ネイティブのIMAXフォーマットは背が高いからです。そのため、IMAXフォーマットを見せたい、観客をアクションに没入させたい重要なシーンでは、巨大なIMAXスクリーンを可能な限り高く広げるのです。そして、それ以外の素材は、2x2のアスペクト比で従来通りに撮影しています。ストーリーの特にドラマチックな場面では、スクリーンを高く広げて、それ以外の場面ではスクリーンを狭めています。これは私がもう何年もやっていることで、私にとってクリエイティブなレバーを引くことができる面白い表現ツールなのです」と撮影を振り返った。
(文=リアルサウンド編集部)

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