差別や貧困は「構造的暴力」 平和教育につなげるため考えて JICAで指導者の養成講座

ワークショップで意見を出し合う教育関係者ら=10日、浦添市・JICA沖縄センター

 沖縄県主催の平和教育指導者養成講座が9、10の両日、浦添市のJICA沖縄センターで開かれた。参加した教育関係者らがワークショップを通し、自分自身、地域、世界といったさまざまな視点に立って平和について考えた。

 県の沖縄平和啓発プロモーション事業「御万人ぴーすふるアクション」の一環。開発教育協会の中村絵乃事務局長が講師を担当した。

 初日は、参加者が日常で感じているもやもやを共有した他、ロールプレイで「対立」や「怒り」について考えた。

 2日目は新聞記事に掲載されている写真を見ながら、推察したことや気付いたことを付箋紙に書き出した。その上で、それぞれの意見を「経済」「政治」「教育」「健康」の分野に分けた。

 中村事務局長は「この4分野はジェンダー・ギャップ指数の調査に使われている。四つの視点はいろいろな物事を見るときに重要だ」と指摘。さらに、ノルウェーの社会学者ヨハン・ガルトゥングが提唱した「構造的暴力」に触れた上で「差別や貧困など『構造的暴力』について考えていくことが平和につながると思う」と講座の狙いを語った。

 参加した浦添高校の屋良紋乃教諭は「ワークを通して自分自身の気持ちを見つめることが大事だと気付いた」と感想を語った。

(社会部・當銘悠)

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