EXCLUSIVE-中国万科へ支援強化を、規制当局が大手銀行に要請=関係筋

[香港/上海/北京 11日 ロイター] - 関係筋によると中国の規制当局は不動産開発大手の万科企業の問題について金融機関と最近協議した。大手銀行に金融支援を強化するよう求め、民間の債務保有者には償還延長について交渉するよう促した。

国務院(内閣に相当)は万科の支援に関する取り組みを調整しており、金融機関は早急な進展が求められているという。

万科はコメントを拒否した。

国家金融監督管理総局と国務院新聞弁公室はコメントの要請には応じていない。

万科企業はこれまで財務が健全とみられていたが、一部の保険会社に債務の返済延期を求めていると報じられ、過去数週間、資金繰りに対する懸念で株式や社債が売られている。

別の関係筋によると、一部の大手国有商業銀行が以前、万科に対する返済条件を厳しくしたため、同社の財務ストレスが拡大。昨年第4・四半期の同社向け新規銀行融資総額は前年同期比で半分以上減少したという。

関係筋がロイターに先週明らかにしたところによると、泰康保険、中国人民財産保険、新華人寿保険が万科企業から返済延期要請を受けた。

中国では不動産開発会社のデフォルト(債務不履行)が相次いでいるが、アナリストによると、業界で数少ない投資適格級企業である万科企業が債務の返済で問題に見舞われれば、市場の信頼が一段と低下する可能性がある。

万科企業は8日、今月11日が期限のドル建て社債6億3000万ドルの返済に必要な資金を預託したと発表した。

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