NBCテロ想定 対応手順を確認 県警と岡山市消防局が合同訓練

防護服姿で行われたNBCテロ災害対応訓練

 岡山市消防局と岡山県警機動隊は11日、合同で大がかりなNBC(核・生物・化学)テロ災害対応訓練を同市中区桑野の市消防教育訓練センターで行った。要救助者が40人発生したとして不審物の検知や除染、救助の手順を確認した。

 地下鉄サリン事件(1995年)から20日で29年になるのを前に実施した。5階建てビルの3階に不審な茶色の液体がまかれ、複数の人が体調不良を訴えている―との想定。市消防局と機動隊から約150人が参加した。

 化学防護服を装着した参加者は建物内に踏み込み、軽症者を屋外に誘導。体調不良で倒れている人には治療の優先度を決めるトリアージをした上で運び出し、服を脱がせたり湯をかけたりして除染した。現場では液体入りのペットボトルが見つかり、化学剤検知器でサリンを検出したとして専用の密閉容器で回収した。

 指揮所で情報処理を行った市西消防署特別救助隊の鶴海正起副隊長は「NBCテロは不審物が何かで対応が変わる難しさがある。県警と連携して対応能力を上げていきたい」と話した。

 NBCテロを想定した市消防局と県警機動隊との合同訓練は6回目。

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