山奥での巡回業務担う、女性森林保護員 中国海南省

山奥での巡回業務担う、女性森林保護員 中国海南省

5日、強い日差しの下、霸王嶺を流れる谷川の河原を歩く龐梅蘭さん。(海口=新華社記者/陳凱姿)

 【新華社海口3月11日】中国海南省にある海南熱帯雨林国家公園の森林保護員、龐梅蘭(ほう・ばいらん)さん(48)は現在、同国家公園霸王嶺エリアの山林4800ムー(320ヘクタール)の巡回業務を担当している。霸王嶺は、絶滅の危機にある霊長類カイナンテナガザルの唯一の生息地となっている。

 林業に18年携わる龐さんは「男性職員はたびたびモニタリング、防火作業に駆り出され、巡回の重責は自然と女性保護員が担うことになる」と話す。

 国家公園では、森林保護は違法な開墾、栽培、不法占拠、伐採、乱獲行為を迅速に発見し阻止する必要がある。龐さんによると、熱帯雨林は湿度が高いため、多くの保護員が鼻炎、リウマチを患っており、季節の変わり目には手足の関節が痛むという。

山奥での巡回業務担う、女性森林保護員 中国海南省

5日、オートバイで山に入り、熱帯雨林の巡回業務を行う龐梅蘭さん。(海口=新華社記者/黎多江)

 オートバイで谷川を渡り、木に登って枝を打ち、山を登り下りし、どんな仕事も率先して行う龐さんを、周囲の人々は有名映画のヒロインになぞらえ「女飛侠」と呼んでいる。

 龐さんにとって、熱帯雨林の保護は単なる仕事ではなく、山奥に住む住民が共に負うべき責任だ。

 1980年代、霸王嶺にのみ生息していたカイナンテナガザルの個体数は10匹未満だった。現在、絶滅の危機にあるこの霊長類は、全面的な保護を受け、37匹まで回復した。森林保護員の仕事と生活にすっかりなじんでいる龐さんは、「体が続く限り、この熱帯雨林を守り続け、ずっと『女飛侠』でありたい」と話している。(記者/陳凱姿、趙玉和、黎多江)

山奥での巡回業務担う、女性森林保護員 中国海南省

5日、渓流で喉を潤す巡回中の龐梅蘭さん。(海口=新華社記者/趙玉和)

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