〔海外〕2024年2月の災害を振り返る

2024年2月に発生した海外での大規模な災害、事故・事件の案件について振り返ります。

※被害の内訳については、原則的にレスキューナウによる情報取りまとめ時のものです。それぞれの記事の最終更新日以降の状況については反映されていないことがあります。

●2月
【自然災害】チリ各地で大規模な森林火災 131人死亡
[被害]死者131人 行方不明者13人 被害家屋約1万4000軒
2024年2月1日頃から、南米チリの中部や南部を中心に各地で大規模な森林火災が発生した。国内の160か所以上で消火活動が行われたが、乾燥した空気と強風によって燃え広がり、都市周辺の山裾などの住宅にも延焼し住宅地に燃え広がった結果、多くの死者を出すに至った。チリ政府は非常事態宣言を発令し、軍も投入して消火活動を行ったが、火の勢いが弱まるまでに6日間程度を要した。
南半球に位置するチリでは夏場を迎えており、連日続く高温と空気の乾燥で火災が発生しやすい状況となっていた。また、当局は放火の可能性も視野に入れて捜査を進め、たき火した人を拘束するなどの動きもあった。
チリでは、2010年に発生した地震と地震に伴う津波によって約500人が死亡したが、今回の森林火災はそれに次ぐ規模の被害となった。

【自然災害】フィリピン・ミンダナオ島東部で地滑り
[被害]死者90人 行方不明者37人
2024年2月6日夜、フィリピン南部ミンダナオ島のダバオ・デ・オロ州マコで地滑りが発生し、90人が死亡し、37人が行方不明となった。麓の住宅のほか、現場付近にある金鉱山の作業員を乗せたバスも複数巻き込まれた。ミンダナオ島では数週間にわたり豪雨が続いており、地盤がゆるんでいたとみられる。
ダバオ・デ・オロ州には金の鉱脈が存在し、違法採掘で地盤が不安定となった山で繰り返し地滑りが発生している。2011年4月には170人以上が、2012年1月にも20人以上が地滑りで死亡または行方不明となった。

【火災】バングラデシュ首都のビルで火災発生
[被害]死者46人 負傷者数十人
2024年2月29日21:50頃(日本時間3月1日00:50頃)、バングラデシュ首都ダッカのベイリー・ロードにある7階建ての商業ビルに入居する飲食店から出火した。火は2時間後に消し止められたが、少なくとも46人が死亡し、数十人が負傷した。死者の多くは煙による窒息死とみられる。
出火元はビルの下層階にある現地の炊き込みご飯に似た料理「ビリヤニ」を提供する人気の飲食店。火災の原因は、ガス漏れやストーブからの出火とみられているが、詳細については、政府が立ち上げた調査委員会により調査が進められている。
ビルに入居している店舗の店長によると、出火元から多くの人が階段を伝って上がってくる煙を避け、1ヶ所しかない階段から上層階へと逃げたという。また、避難した人の中にはビルの上階から飛び降りて負傷した人もいたとも語った。

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