中国の炭素市場、23年末時点で累計出来高4億4千万トンに

中国の炭素市場、23年末時点で累計出来高4億4千万トンに

山西省太原市にある企業でCO2排出の計算を行うCO2排出計算員の劉旺(りゅう・おう)さん(右から1人目)。(2023年6月20日撮影、太原=新華社配信)

 【新華社北京3月11日】中国生態環境部の趙英民(ちょう・えいみん)副部長はこのほど、国務院新聞(報道)弁公室の定例ブリーフィングで、全国炭素排出権取引市場は始動以来、平穏を維持し、出来高は2023年末時点で累計4億4千万トン、取引金額は249億元(1元=約20円)に上ったと明らかにした。

 趙氏によると、中国の炭素市場はコンプライアンス市場の全国炭素排出権取引市場とボランタリー市場の全国温室効果ガス自主的排出削減取引市場で構成される。二つの市場はそれぞれの重点を持ち、独立した運営を維持するとともに、相互接続を実現し、共同で炭素市場体系を形成している。

 全国炭素排出権取引市場は発電業界を皮切りに、21年7月に取引を開始した。これまでに2回の契約履行期間を終え、想定されていた目標を達成した。取引対象となる二酸化炭素(CO2)は現時点で年間約51億トンに上り、重点排出事業者2257社が参加し、取引対象の温室効果ガス排出量が世界最大の炭素市場となっている。

 同市場は始動から2年半、全体的に平穏な動きを維持した。制度の充実が進み、市場が活発さを増し、炭素排出データの質が全面的に改善され、排出管理機能が大幅に向上し、価格発見機能が発達しつつある。第2回契約履行期間(21年と22年)の出来高は第1回(19~20年)より19%増え、取引金額は89%増加した。取引価格は全体的に上昇傾向にあり、取引開始当初の1トン当たり48元から80元前後に上がった。第2回契約履行期間では企業の意欲が高まり、取引に参加した企業は総数の82%と、割合が第1回より50%近く上昇した。

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