中国、党の政府指導を明確化 法改正可決、全人代閉幕

中国全人代の閉幕式に臨む習近平国家主席=11日、北京の人民大会堂(共同)

 【北京共同】中国の全国人民代表大会(全人代)は11日、政府機関に対する共産党の指導を明確にする国務院組織法の改正案を可決し、閉幕した。国務院(政府)が党の従属機関であることが法的に位置付けられ、国務院トップである首相の地位低下がより鮮明になった。閉幕式後の首相記者会見は今年から取りやめた。

 習近平国家主席の権力基盤がさらに固まった。安全保障や外交、経済を含む幅広い分野で意向が忠実に反映されることになりそうだ。

 2024年のGDP成長率目標を前年目標と同じ「5.0%前後」に設定した政府活動報告や、前年比7.2%増の国防費を盛り込んだ24年予算案も採択・承認した。

 改正国務院組織法は即日施行された。全人代常務委員会は法改正で「国務院が共産党の指導を堅持することを明確にする」とし「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想を政府のあらゆる活動の指導思想とする」と強調していた。

 閉幕式で法案や政府活動報告が圧倒的な賛成多数で採択されると、習氏はゆったりとした動きで拍手した。閉幕後は笑顔を見せ会場を後にした。

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