春に犬がなりやすい病気6選 見落としてはいけない兆候や予防策とは?

春に犬がなりやすい病気

人間も春先には体調を崩す人が増える傾向にありますが、犬の場合もこの季節になりやすい病気があるようです。

1.マダニによる病気

マダニが活発化するのは夏ですが、春の間に成長します。暖冬と言われていますから、お住まいの地域によっては、暖かくなる頃にはマダニの寄生を予防するためのお薬を投与し始めた方がよいかもしれません。マダニが寄生することで皮膚炎や感染症になることがあります。

我が家の犬たちは5月から投与を始めますが、マダニが媒介する感染症には、人畜共通感染症を含みますので、犬も人も病気にならないようにするために大切なことだと思います。

マダニが媒介する感染症には、「エールリヒア症」「バベシア症」「アナプラズマ症」「ライム病」などありますが、感染を予防するためのワクチンはなく、マダニに寄生されることを防ぐしかありません。

マダニは草むらに潜み、寄生や吸血の機会をうかがっています。お散歩中は、なるべく草むらに近づかないようにし、愛犬にはマダニの寄生を予防するためのお薬を投与しましょう。

2.花粉症

犬も花粉症になります。とくに皮膚に症状が現れることが多く、くしゃみや鼻水、目が痒いなどの症状は出にくいとされています。

  • 耳の中を痒がる(頭をよく振ることがある)
  • 脇の下を頻繁にカキカキする
  • 手足の先を頻繁に舐めたりカミカミしたりする
  • 目や口の周りに赤みや発疹がある

皮膚にこのような症状が現れた場合、花粉による症状なのではないかと疑うことができます。皮膚を掻きすぎると皮膚を傷つけてしまうので、早めに動物病院へ行きましょう。

花粉症であるかどうかを知りたいとき、アレルゲンが何であるかを知りたいときは、血液検査によって、反応する物質を調べることができます。かかりつけの獣医師に相談してください。

3.胃腸炎

春は胃腸炎になりやすい時期です。寒暖差が激しく、自律神経の乱れや急な体の冷えが起こることがあるためです。持病のある犬の場合、症状が悪化しやすく、合併症にも十分な注意が必要です。

お留守番をするときや寝るときは、犬用の湯たんぽやホットカーペットを活用したり、防寒服を着せたりなど、冷えから体を守る対策をしましょう。

4.皮膚炎

春に換毛期を迎える犬の場合、抜け毛と一緒に古くなった皮膚もフケとして剥がれ落ちます。

被毛と皮膚の間にとどまり続けたフケが皮膚炎の原因になりやすいため、こまめなブラッシングで予防しましょう。

一度に多くの抜け毛やフケを取り除こうと、長時間のブラッシングをすると、皮膚を傷つけてしまうことがあります。犬にとってもストレスになりますので、1日数回に分けて行うのがおすすめです。

5.熱中症

春の日中は、初夏のように暑くなることがあります。庭で日向ぼっこをさせるとき、お散歩やお出かけするときは、熱中症にご注意ください。

車で移動する場合、車内の温度が高くなりやすく、熱中症のリスクも高まります。窓を開けて冷たい新鮮な空気を入れたり、適度に冷房を使用したり、熱中症対策をしましょう。

車内に犬をひとり待たせることは絶対にやめましょう。

6.フィラリア症(犬糸状虫症)

春は、フィラリア症の予防薬の投与を始める時期です。お住まいの地域によって差はありますが、4月~12月まで予防しなければならない感染症です。

暖冬と言われていますから、蚊が媒介する時期も早まるのではないかと予測されます。

ノミ・マダニ・フィラリアの寄生を1つのお薬で予防することも可能です。予防薬の種類は、内服薬、ピペット剤、注射などがあります。

まとめ

春に犬がなりやすい病気を6つ解説しました。

  • マダニによる病気
  • 花粉症
  • 胃腸炎
  • 皮膚炎
  • 熱中症
  • フィラリア症(犬糸状虫症)

春は犬が体調不良を起こしやすい季節です。寒暖差に十分に注意しつつ、感染症予防を始める時期でもあります。シニア犬や持病のある愛犬は、朝・昼・夜と、こまめな体調チェックをしましょう。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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