震災 風化させない 福島県いわき市の語り部ガイド小野浩さん 経験と教訓 後世に 12月まで毎月開催へ

東日本大震災の記録や記憶を伝える小野さん(中央)

 福島県いわき市の小名浜震災語り部ガイド・小野浩さんは、東日本大震災の経験と教訓を後世に語り継ぐ企画を市内小名浜のいわき・ら・ら・ミュウ内「3.11いわきの東日本大震災展」の展示室で始めた。12月までの毎月1回開催する計画で、記憶の風化を防ぎ、市民と防災意識を高め合う。

 初回を震災から13年を前にした10日に開き、県内外から55人が参加した。小野さんは震災による市内の被害状況や津波の様子などを写真などを使って説明。震災で亡くなった人の遺品なども示しながら当時のことを振り返った。「災害が起きる前に行動できることがある」と訴えた。

 参加者の中には、当時の状況を思い出し、涙ぐむ人も。震災後に生まれた小学生もおり、小野さんの話に熱心に耳を傾けていた。

 小野さんは「1月の能登半島地震を受けて、もう一度立ち上がろうと思った」と開催のきっかけを明かす。「震災を風化させてはいけない」と力を込めた。

 今後の日程は次の通り。時間は午後1時から同3時30分。

 ▽4月14日、5月12日、6月9日、7月14日、8月11日、9月15日、10月13日、11月10日、12月15日(予定)

(いわき版)

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