ゴジラが射止めた視覚効果賞 アナログ特撮の『箱庭美』継承

映画「ゴジラ-1.0」の一場面((C)2023 TOHO CO., LTD.)

 山崎貴監督の「ゴジラ-1.0(マイナスワン)」が射止めた米アカデミー賞の視覚効果賞は、世界のクリエーターが日々しのぎを削る、最先端の映像表現に贈られる技術賞だ。架空の世界がまるで現実かのように見せることを可能にし、観客に大きな驚きを与え、映画の歴史を塗り替える原動力となってきた。

 「VFX大国」最大の映画の祭典で、比較的予算規模の小さい「ゴジラ-1.0」は、なぜ受賞できたのか。映画評論家の樋口尚文さんは「日本のアナログ特撮の『箱庭美』が継承されているから」だとみる。「ゴジラが描くのは、せいぜい銀座の街などの『小さな状況』。でもショットの美しさときめ細かさはハリウッドにはまねできない」。

米アカデミー賞の視覚効果賞に輝いた映画監督山崎貴さん(AP=共同)

© 一般社団法人共同通信社