福士蒼汰主演「アイのない恋人たち」が撮影終了。「もがきながら必死に生きていくわれわれは、情けないと同時に美しい」

主演・福士蒼汰、脚本・遊川和彦氏によるアラサー男女7人の“愛”の物語「「アイのない恋人たち」(日曜午後10:00=ABCテレビ制作。最終回は午後10:30)は、3月17日に最終回。福士らメインキャストたちがクランクアップを迎えた。

「アイのない恋人たち」は、2024年の東京を舞台に、恋愛偏差値が低い訳ありの男女7人が織り成す遊川氏が手掛けたオリジナル作品。「愛がない」「見る目(eye)がない」「自分(I)がない」と、“アイが欠けている”登場人物が人を愛することで生まれ変わり、新しいステージへ進んでいくラブストーリーだ。福士をはじめ、岡崎紗絵本郷奏多成海璃子前田公輝深川麻衣佐々木希が、それぞれに訳ありの恋愛観や家族の問題を抱えながらも出会い、触れ合い、愛し合おうとする恋愛群像劇が繰り広げられている。

無事撮影を終え、主人公・久米真和を演じきった福士は、「あっという間の3カ月でした。同世代でお芝居をすることが今まであまりなかったので、とても楽しく刺激にもなりました。アラサーならではの悩みは僕も理解できる部分はありましたし、もがきながら必死に生きていくわれわれは、情けないと同時に美しいと思える作品になったなと思います」と心境を伝えた。

今村絵里加役の岡崎も「あらためてこの今村絵里加という役をいただいて、自分のお芝居の幅を広げてもらいました。すごくうれしく思います。難しかったからこそ、得られるものや発見が多くありました。お芝居は本当に奥が深くて、また面白さも知ることができました。絵里加と一緒に私も少し成長できたかなと思います」と充実感をにじませた。

淵上多聞役の本郷は「同世代のすてきな俳優さんたちと一緒に、等身大の役柄でお芝居ができました。福士くんと前田くんは昔から知っていたので、久しぶりに共演できて、実際に同級生と再会したようでうれしかったです」と語った。

冨田栞役の成海は「うそがつけない真っすぐなキャラクターで、多聞さんとはぶつかる場面も多くやきもきしましたが、とても晴れやかな終わり方でホッとしています」と笑顔を見せた。

郷雄馬役の前田は「郷雄馬だったからこそ熱量高く、どこまでも振り切って考えられたなと感じます。アイについての時間ははかなく、それでいて日常を彩り成長させてくれるもの、とあらためて今実感しています。クランクアップした次の日は雄馬によって動けていた体が前田に戻ろうとしてほんの少し体調を崩しました(笑)」と報告。加えて、「それほど全力で、足して抱えて表現できる役と出会えたこと、それがこの32歳というタイミングだったことに運命を感じます。作品に対して今までとは違う扉を毎回開けようと思いますが、今回は根本から変えて挑んでみました。だからこそ見えた放出方法、役との融合、スタミナ、現場へ持っていくエネルギー、すべてが勉強でした。すべてはご視聴してくださってる皆さまがいて、スタッフさんが環境を整えてくださり、またキャストの団結力があったこそ乗り越えることができました。ありがとうございました!」と感謝した。

近藤奈美役の深川は「放送が続いているのでまだあまり終わった実感がないのですが、じわじわと寂しさが湧いてきています。奈美を通して、波瀾(はらん)万丈でしたが本当にすてきな経験をさせていただき、いろんな感情に出合えました。最終話が終わった後、不器用でいとおしいみんながそれぞれどう生きていくのかは想像することしかできないですが、みんなどこかで楽しく幸せに生きていてほしいな、という気持ちです!」とキャラクターへの愛を口にした。

稲葉愛役の佐々木は「男女7人それぞれ抱えるものが違い、人を愛するが故のもどかしさや虚しさなどの心の葛藤が丁寧に描かれており、台本を読むたびに何度も胸に突き刺さりました。人間味のある稲葉愛という役を演じさせていただき、本当にいろんな感情に出合えた作品でした。監督をはじめ、キャストの方々やスタッフの方々の丁寧な作品作りに感動しました。久々のお芝居の現場でしたが、すてきなチームとお仕事できたことに心から感謝していますし、また頑張ろうという気持ちになりました」と率直な思いを述べた。

なお、「アイのない恋人たち 公式シナリオブック」が、4月3日に発売されることが決定。脚本だけではなく、ドラマの名シーンを振り返る場面写真や、遊川氏によるあとがきも掲載されている。今回初タッグとなった福士と遊川氏の対談も実現した。遊川は「シナリオブックが発売されるのは初めてなので、大変うれしく思います。ぜひ手に取っていただいて、『あのシーンはこんなふうに書いてあったんだ』と思いながら、映像とともに楽しんでいただけたらと思います」とアピールしている。

最終回。真和にそれぞれ愛を告白した絵里加と愛は、不思議な協定を結ぶ。そんな約束が交わされているとも知らず、真和はドラマの最終話を書き上げるまで返事を保留し、執筆に専念。一方、父の看病のために長野に帰った栞を追いかけてやって来た多聞は、ある決意を伝える。また、雄馬と奈美は、雄馬の祖母の病室で愛を誓うが…。

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