第96回アカデミー賞開催、『オッペンハイマー』が席巻

第96回アカデミー賞が10日(日)に開催され、『オッペンハイマー』が最多7部門に輝いた。「原爆の父」と言われる米物理学者ロバート・オッペンハイマーを描いた同作は、ノミネート11部門中、最高賞である作品賞をはじめ、クリストファー・ノーランの監督賞、キリアン・マーフィーの主演男優賞、ロバート・ダウニー・Jrの助演男優賞、撮影賞、編集賞、作曲賞と7部門の受賞を果たした。

ノーランは、監督賞を授与された際、「映画は100歳を少し超えたぐらいですが、絵画や劇場が100歳だった時を想像してください。この驚くべき旅路がここからどこへ行くのか、私たちは知りません。しかし、私がその意味ある一部を担っていると考えられていることは、かけがえのないことです」と喜びを語った。

一方で『哀れなるものたち』のエマ・ストーンが主演女優賞、『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』のダヴァイン・ジョイ・ランドルフが助演女優賞を受賞した。

今回は、演技4部門で、ジェニファー・ローレンスやニコラス・ケイジ、ジェイミー・リー・カーティス、マシュー・マコノヒー、レジーナ・キング、ルピタ・ニョンゴ、ブレンダン・フレイザーを含む過去の受賞者たちがノミネート者たちを称賛する場面もあった。

ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された授賞式では、歌曲賞のノミネート者全員がステージを披露、ライアン・ゴズリングが『バービー』の挿入歌『アイム・ジャスト・ケン』を歌った際には、ガンズ・アンド・ローゼズのギタリスト、スラッシュがサプライズ出演して会場を沸かせていた。同賞は、同じく『バービー』のサウンドトラックであるビリー・アイリッシュの『ホワット・ワズ・アイ・メイド・フォー?』に渡った。

日本勢では、宮崎駿監督作『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞、山崎貴監督作『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞に輝いた。

第96回アカデミー賞 受賞者全リスト

作品賞

『オッペンハイマー』

主演女優賞

エマ・ストーン『哀れなるものたち』

主演男優賞

キリアン・マーフィー『オッペンハイマー』

監督賞

クリストファー・ノーラン 『オッペンハイマー』

助演女優賞

ダヴァイン・ジョイ・ランドルフ『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

助演男優賞

ロバート・ダウニー・Jr 『オッペンハイマー』

脚色賞

『アメリカン・フィクション』

脚本賞

『落下の解剖学』

歌曲賞

『ホワット・ワズ・アイ・メイド・フォー』(『バービー』)

作曲賞

ルドウィグ・ゴランソン 『オッペンハイマー』

国際長編映画賞

『関心領域』(イギリス)

長編アニメーション賞

『君たちはどう生きるか』

長編ドキュメンタリー賞

『実録 マリウポリの20日間』

衣装デザイン賞

『哀れなるものたち』

メイク・ヘアスタイリング賞

『哀れなるものたち』

美術賞

『哀れなるものたち』

音響賞

『関心領域』

編集賞

『オッペンハイマー』

撮影賞

『オッペンハイマー』

視覚効果賞

『ゴジラ-1.0』

短編実写映画賞

『ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語』

短編アニメーション賞

『ウォー・イズ・オーヴァー!インスパイア―ド・バイ・ザ・ミュージック・オブ・ジョン ヨーコ』

短編ドキュメンタリー映画

『ラスト・リペア・ショップ』

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