東日本大震災から13年の11日、追悼セレモニー「ストリートピアノでつなぐ祈りのハーモニー」が鹿児島県など12道府県22会場であった。発生時刻の午後2時46分に黙とうをささげ、童謡「ふるさと」や復興支援ソング「花は咲く」を歌い、犠牲者を悼んだ。
鹿児島市中央町の一番街商店街では、合唱団「コールはらら」の34人が参加者と歌声を響かせた。同市日之出町の中原公子さん(80)は「歌うことで自分自身も災害への備えを考える機会になる」。伴奏した同市桜ケ丘3丁目のピアニスト柴藤ひろ子さん(55)は「今年も思いを伝えられた。被災者を忘れないために続けていきたい」と話した。
鹿児島県鹿屋市のリナシティかのやでは、地元の松下保育園の園児やコーラスグループ3団体の約60人が合唱で被災地への祈りを表現した。
実行委員の森尾勇さん(59)は「今年は能登半島を襲った地震もあった。心のこもった歌声や笑顔は、被災地に届いたはず。今後もピアノをきっかけに『心の支援』が世界に広がっていってほしい」と願った。
このほか鹿児島県内では指宿市や奄美市など計9カ所で行われた。街頭ピアノによるセレモニーは震災翌年の2012年に鹿児島で始まり、全国に広がった。