専門人材の不足が要因と答申 吉備中央・有害物質問題 第三者委

山本町長(右)に答申書を手渡す佐藤委員長

 岡山県吉備中央町の円城浄水場(同町上田西)から有害な有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出された問題で、町側の不適正な事務処理を調査・検証する町の第三者委員会は11日、山本雅則町長に答申書を提出した。検査結果の県への報告を怠るなどした要因に専門的な人材や知識不足を挙げ、体制の見直しや意識改革を求めている。

 答申書の内容は、町が個人情報保護を理由に非公開とし、第三者委委員長の佐藤吾郎岡山大大学院教授が町賀陽庁舎で同日あった第4回会合の終了後、報道陣に説明した。

 佐藤委員長によると、2020年度以降に国の暫定目標値を上回っていたにもかかわらず県への報告を怠ったり、虚偽の内容を伝えたりした背景として、現場の危機感の低さや責任の曖昧さが一連の問題を引き起こしたと指摘。再発防止策として、専門人材の育成や公募▽役割分担を明確にした体制の構築▽ライフラインを担う自覚の徹底―などを掲げている。

 山本町長は「ガバナンス(組織統治)が欠けていた。職員一丸となって信頼回復に努める」と述べた。

 町は三つの外部委員会を立ち上げており、健康影響対策委は15日に報告書を提出。原因究明委は4月にも発生源の可能性が高い場所のボーリング調査を行う予定。

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