【アメリカ大学野球の名門⑤アリゾナ州立大学】ドラフト全体1位指名を4人も輩出した全米屈指の強豪校

花巻東高校の佐々木麟太郎がスタンフォード大学への留学を決め、注目されているアメリカの大学野球。これまで強豪校を紹介してきたが、最後はドラフト上位指名の常連校で、全体1位指名選手を4人も輩出した全米屈指の名門・アリゾナ州立大の紹介で締めくくる。

学生数は5万人以上と、アメリカ有数のマンモス校として知られるアリゾナ州立大(ASU:Arizona State University)は、毎年MLBドラフトの上位指名に名が挙がる、カレッジスポーツのなかでも特に野球が盛んな強豪校だ。

アリゾナの暑さから、同校のスポーツチームは「サン・デビルズ(太陽の悪魔)」と呼ばれ、メジャーリーガーの輩出数では、全米1位のUSC(サザンカリフォルニア大)の119人に次ぐ117人を誇り、全体1位指名選手は全米最多の4人を数える。

1965年に同大をカレッジ・ワールドシリーズ優勝に導き、1981年にはドジャースの世界一にも貢献したリック・マンデー、1978年に新人王を受賞し、のちにヤクルト(現・東京ヤクルト)で旋風を巻き起こしすボブ・ホーナーなどが全体1位指名を受けている。

全体1位指名ではないが、同校出身のメジャーリーガーの代表とも言えるのが、2001年に73本塁打を放ってシーズン最多本塁打数記録を更新し、メジャー歴代1位の通算762本塁打を記録したバリー・ボンズだろう。

ボンズといえば、本塁打に目が行きがちだが、30本塁打&30盗塁(30-30)を5度も達成するなど走力も規格外であり、メジャー史上唯一の500本塁打&500盗塁(500-500)を達成している。大学3年間では打率.347、45本塁打、175打点の好成績を残し、1984年シーズンは打率.360、30盗塁を記録した。

さらにASUは、アメリカ殿堂入り選手も2人輩出している。1966年のドラフト1巡目(全体2位)でカンザスシティ(現・オークランド)・アスレチックスから指名を受け、プロ入りしたレジー・ジャクソンも同大出身である。本塁打王4回、打点王1回、シーズンMVP1回。5度のワールドシリーズでは打率.357、10本塁打、24打点を記録し、MVPを2度も受賞するなど、大舞台での活躍から「ミスター・オクトーバー」と称されているレジェンドだ。

もう1人が、通算268勝、2212奪三振、防御率2.86、最多勝3回、最優秀防御率2回、サイ・ヤング賞3回で1990年にアメリカ野球殿堂入りした豪腕ジム・パーマーだ。彼もまた「サン・デビルズ」のユニフォームに袖を通している。

現役選手では、昨季メジャー史上初となるルーキーでの25本塁打&50盗塁を達成し、満票で新人王に輝いたコービン・キャロルも同大に通った1人だ。ASU進学前にダイヤモンドバックスから指名を受けたため、大学でのプレー経験はないが、メジャー昇格前にマイナーA+級で特大ホームランを放った際に右肩を負傷し、プレーできなかった期間には、同大で授業を受けるなど文武両道を続けている。

野球をはじめ、フットボールやバスケットボールなどのカレッジスポーツが盛んなアメリカ。気になる選手がどこの大学出身なのか、同級生やチームメイトに誰がいたのか、そして、先輩にはどんなレジェンドがいて、その系譜を継承しているのかを知るのもMLBの楽しみ方の1つかもしれない。

The post 【アメリカ大学野球の名門⑤アリゾナ州立大学】ドラフト全体1位指名を4人も輩出した全米屈指の強豪校 first appeared on MLB.JP.

© MLB Advanced Media, LP.