ローマ教皇のウクライナ交渉提案「理解できる」とロシア、NATO反論

Guy Faulconbridge Andrew Gray

[モスクワ/ブリュッセル 11日 ロイター] - ロシアのペスコフ大統領報道官は11日、ローマ教皇フランシスコがウクライナにロシアと和平交渉を始めるよう促したことについて、「極めてよく理解できる」と述べた。

ペスコフ報道官は記者団に対し「ローマ教皇が交渉に賛成する発言を行ったことは良く理解できる」とし、プーチン大統領はこれまでもロシアは和平交渉に前向きだと繰り返し表明してきたが「残念ながら、ローマ教皇の発言も、ロシア側の度重なる発言も完全に拒否されている」と語った。

また、ロシアに戦略的敗北をもたらしたいという西側の考えは大きな思い違いだとし、「主に戦場での状況がその最も明確な証拠だ」と述べた。

ローマ教皇フランシスコは先月に収録されたインタビューで、ウクライナは「白旗の勇気」を見せてロシアとの戦争を終結させるための交渉を行うよう促した。

これに対しウクライナは反発。ゼレンスキー大統領は教皇による「事実上の仲介」としたほか、クレバ外相はロシアに決して屈服しないと強調した。

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長もこの日のロイターのインタビューで「今はウクライナによる降伏について語る時ではない」とし、交渉には戦場での強さが反映されるため、「ウクライナに対する軍事支援が交渉による永続的な平和的解決に至る道となる」と語った。

さらに、ウクライナの降伏を議論するのは「われわれ全てにとっても危険だ」とし、「なぜなら軍事力を行使し、何千人もの人々を殺害し、他国に侵攻すれば、望むものが手に入るという教訓をロシアが学ぶことになるためだ」と述べた。

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