NY外為市場=円対ドルで上昇、マイナス金利解除の可能性に注目

Gertrude Chavez-Dreyfuss

[ニューヨーク 11日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、日銀が来週の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除する可能性があるとの見方から、円が対ドルで上昇した。

円の上昇は4営業日連続。この日は暗号資産(仮想通貨)のビットコインが7万2000ドルを超えて過去最高値を更新したが、市場の注目はドル/円相場と日銀の決定会合に集まっている。

終盤の取引でドル/円は0.1%安の146.94円。

13日に春闘の集中回答日を迎える中、多くの大手企業の賃上げが予想されており、関係筋はロイターに対し、18─19日の会合でマイナス金利政策を解除する方向に傾いている日銀政策委員の数が増えていると明らかにしている。

また、内閣府が11日公表した2023年10─12月期実質国内総生産(GDP)2次速報は前期比0.1%増となり、1次速報の同0.1%減から一転プラスに転換。年率では1次速報のマイナス0.4%からプラス0.4%に上方修正された。

クラリティFX(サンフランシスコ)のエグゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「日銀がマイナス金利政策の解除に動くのは、これまでは長らく4月の会合と考えられていたのが、3月に前倒しされた」と指摘。「個人的には4月を望んでいる。これまでずっと動きが鈍かったため、突然急ぐ必要はあるのだろうか。GDPの改定があったものの、日本が爆発的な成長と物価上昇を遂げようとしていることを示すものは何もない。もう少し待つ余地はあると思う」と述べた。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の102.85。

市場では、米連邦準備理事会(FRB)は6月に利下げに着手する公算が大きいとの見方が大勢。FRBの金融政策の行方を見極めようと、12日発表される2月の消費者物価指数(CPI)が注目されている。

ユーロ/ドルは0.1%安の1.0924ドル。

英ポンド/ドルは1.1%安の1.2807ドル。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5.3%高の7万2033ドル。一時7万2739ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。

ドル/円 NY終値 146.94/146.95

始値 146.66

高値 147.15

安値 146.63

ユーロ/ドル NY終値 1.0926/1.0927

始値 1.0939

高値 1.0943

安値 1.0915

© ロイター