西武の新助っ人アギラーは貧打解消の救世主となるか 2016年メヒア以来の30発超えに期待

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期待の新4番候補が来日第1号

西武の体重125キロの新助っ人、ヘスス・アギラーが来日第1号を放った。10日のDeNAとのオープン戦(横浜)で1点ビハインドの4回に、相手先発・平良拳太郎から左中間スタンドに同点弾を運んだ。

メジャー通算114本塁打を誇る右の長距離砲は、昨季リーグ最少の90本塁打、435得点に終わった打線の新4番候補として期待される。オープン戦ではここまで全3試合でヒットを放つなど、佐々木俊輔(巨人)と並んで打率.444の首位打者と絶好調。力と技を併せ持つ巨漢助っ人が存在感を示している。

この2年で森友哉(オリックス)、山川穂高(ソフトバンク)と打線の中心選手が抜け、昨年主軸を張った助っ人のデビッド・マキノンも韓国球界に移籍した。5年ぶりのリーグ優勝へ貧打解消が喫緊の課題となっているチームにとって、新助っ人の活躍は明るい材料と言えるだろう。

期待されるメヒア以来の30本塁打超え

アギラーは2018年のブルワーズ在籍時にシーズン35本塁打を記録したこともある、まさに“大砲”だ。西武が助っ人大砲を獲得したのは2014年のエルネスト・メヒア以来のこと。2018、2019年に「山賊打線」の異名をとるほどの猛打でリーグ連覇を成し遂げたように、「打高投低」のチームだったため、新たに助っ人野手を補強する必要がなかったのだ。

その後、主力野手が次々と流出する憂き目にあうが、昨年まで3度の本塁打王に輝いた主砲・山川穂高が在籍していたため、助っ人補強もそのわきを固める打者が中心だった。それは数字にも表れており、直近5年間でシーズン20本塁打を記録した助っ人野手はゼロだった。

【過去5年間の助っ人野手本塁打数】
2019年 エルネスト・メヒア(6本)
2020年 コーリー・スパンジェンバーグ(15本)、メヒア(11本)
2021年 スパンジェンバーグ(7本)、メヒア(1本)
2022年 ブライアン・オグレディ(15本)、ジャンセン・ウィティ(2本)
2023年 デビッド・マキノン(15本)、マーク・ペイトン(5本)

今年、久々に獲得した長距離砲のアギラーに期待されるのは、2016年にメヒアが記録(36本)して以来の30本塁打超えだろう。昨季リーグの最多本塁打が26本だったように、「投高打低」リーグと化しているパ・リーグにおいて、30発超えのハードルは高い。

だが、メジャー通算10年で6度の2ケタ本塁打を記録したパワーヒッターが、その実力を発揮できれば、十分クリアできる数字のはずだ。約2週間後に開幕するシーズンでその真価を発揮することができれば、2019年以来のペナント制覇もぐっと近づく。



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