日本道路/土浦テクノBASE(茨城県土浦市)が開所、技術開発や研修の場に

日本道路は9日、茨城県土浦市に建設した「土浦テクノBASE」の開所式を開いた。研修施設と技術研究所、機械センターの機能を統合した複合施設でショールーム機能も備える。多様化する技術ニーズへの対応や技術・技能の伝承、社員研修に活用する。当日は石井敏行社長や兵藤政和代表取締役兼専務執行役員管理本部長ら同社関係者、安藤真理子市長や地元関係者ら約50人が開所を祝った。
建設地は同市おおつ野1の4の1。約4・1ヘクタールの敷地に研究研修棟や宿泊棟、整備棟、機械格納庫の4棟を建設した。総延べ床面積は9871平方メートル。ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証を取得している。施設の設計・施工を清水建設が手掛けた。
研究研修棟1階に顧客用ショールームを設置。合材プラントや施工機械などのミニチュアを展示し、ハイブリッドグースなどの舗装技術も紹介。「新技術への挑戦をアピールする展示内容とした」(同社)という。2階は吹き抜けの大階段を中心にコミュニケーションが促進できるスペースも設けた。3階はワークスペース。フリーアドレスを導入するなど快適な職場環境を創出した。高知県梼原町で採集した間伐材を施設の内装材などに活用している。
宿泊棟は新入社員研修などに利用。冷蔵庫や机を完備した50部屋を設け、廊下の間接照明は落ち着いた雰囲気を演出する。「職場のイメージを極力排除し、くつろげるカフェを目指した」(同社)という食堂は女性社員の意見を取り入れ、家具や配色にもこだわった。
屋外エリアの一部に特殊舗装を施工した。ウレタン樹脂を表面に施し足腰の負担を軽減する「快適歩走」や、間伐材を使った木質成形ブロック「木煉(もくれん)」などを実際に歩き、快適性などを体験できる。
開所式で石井社長は「創立100周年記念事業の一環で建設した。地元小中高生の体験学習の場にも利用してほしい」と話した。安藤市長は「将来の道路業界を担う優秀な人材が土浦市から全国へ羽ばたいていくことをうれしく思う」と期待を寄せた。

© 日刊建設工業新聞社