なぜ3月13日が「新選組の日」なの?
1年365日、毎日必ず何かしらの「◯◯の日」に制定されているが、幕末~時代劇ファンにとって重要なのが3月13日の「新選組の日」である。これは新選組の前進である「壬生浪士組」が文久3年(1863年)の3月13日に結成されたことにちなんだもので、新選組に縁のある東京都日野市の観光協会が制定した(※浪士組結成の2月27日を新選組の日とする説もある)。
“新選組映画”の歴史は古く、1928年の『維新の京洛 竜の巻 虎の巻』はサイレント映画だ。その後も絶え間なく新選組をテーマにした映画が作られ、90年代には『幕末純情伝』(1991年)や『御法度』(1999年) といった恋や愛憎をテーマにした作品も人気を博した。
そんな新選組映画の最新作、司馬遼太郎の国民的ベストセラーを原田眞人監督×岡田准一主演で完全映画化した『燃えよ剣』(2021年)が現在、CS映画専門チャンネル ムービープラスで放送中。土方歳三をはじめ、新選組の男たちの知られざる愛と戦いを描く歴史スペクタクルで、まるで任侠モノのようなスリルや映像美などストーリー以外にも見どころの多い、ゼロ年代新選組映画の傑作だ。
岡田准一が指導したリアルな殺陣!
武州多摩の“バラガキ”土方歳三は、「武士になる」という夢を抱き、近藤勇、沖田総司ら同士と共に京へ向かう。徳川幕府の後ろ盾のもと、新選組を結成。土方は副長として組織を率いて、討幕派勢力制圧に八面六臂の活躍を見せる。そんな中、土方は運命的に出会ったお雪と惹かれ合うが……。
本作は原田眞人監督と岡田准一『関ヶ原』(2017年)に続いてタッグを組んだ時代サスペンスアクション。なんといっても岡田が指導を務めた殺陣が凄まじく、本職のアクション俳優も顔負けの迫力。アイドル出身俳優でありながら芸能界最強グラップラーと噂される岡田のおかげで、時代劇ファンでなくとも興奮必至のリアルな命のやり取りが堪能できる。
白と青のお馴染みのギザギザ袴などキャッチーなイメージを廃したビジュアルも新鮮で、原田監督のコダワリが随所に感じられる本作。それでいて京都の美しい風景を描くことにも注力しており、殺伐とした人間ドラマとの対比にグッとくる。岡田のほか、柴咲コウ、鈴木亮平、山田涼介、山田裕貴、松下洸平ら若手を中心に実力派俳優をキャスティングしているので、時代劇に馴染みのない若いファン層を取り込むことにも成功した。
『燃えよ剣』はCS映画専門チャンネル ムービープラスで2024年3月放送