北海道苫小牧市/駅周辺ビジョン基本構想案、苫小牧駅南口にシンボルビル計画

北海道苫小牧市は、駅周辺ビジョンに基づく基本構想案をまとめた。JR苫小牧駅前の再整備では、南口をシンボルゾーンとし、公共施設や商業施設で構成するシンボルビルのほか、ホテルや住宅機能を持つ2棟の複合ビル、駅前広場などの整備を計画。再整備は民間事業として実施することを基本とし、早ければ2024年度内の事業者選定を目指す。
市は22年度に、まちづくりの方向性を示す駅周辺ビジョンを策定した。23年度はビジョンの具体的な推進に向け、JR苫小牧駅前再整備に関する具体的な協議や検討に着手し、ハード整備やエリアマネジメントの方向性などを示す基本構想の策定を進めている。
基本構想案を見ると、駅前再整備では、既存の旧サンプラザビルと旧バスターミナルを解体し、複合ビル3棟と立体駐車場、駅前広場、公園などの整備を検討している。
複合ビルは、駅南口正面の現駅前広場に子育て支援やサイエンスパークなどの行政機能と商業、飲食店などで構成する駅直結のシンボルビルを計画。シンボルビルから東に向かいバスターミナル、立体駐車場を配置し、立体駐車場東側に飲食・商業、オフィス・コワーキングスペース、学生寮、共同住宅で構成する複合ビルを配置する。
シンボルビル南側にはタクシー乗り場などの交通広場を整備し、さらにその南側には低層階に地域交流の場となるココトマ、サテライトキャンパス、ホテルで構成する複合ビルを配置する計画となっている。
持続可能なエリアマネジメントに向けては、マネジメントの各種戦略などを立案・推進する専門家組織の仮称・苫小牧アーバンデザインセンターと、まちづくりイベントや事業の運営を担うエリアプラットフォームの二つの組織の組成を検討する。
事業は民間事業者からの提案に基づき、民間事業として整備することを基本とし、旧サンプラザビルなどの既存施設の解体についても、民間事業者の提案を基に今後検討する。
事業全体のスケジュールでは、24年度中に各種協議の合意を目指し、事業者を選定する。25年度に市と事業者で事業内容を検討して基本計画を策定し、26年度から既存施設の解体やビル整備に着手したい考えだ。

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