建設業4団体/土日一斉閉所へ業界一丸で初の全国運動、官民全工事で週休2日定着へ

建設業の働き方改革を業界一丸で加速する。日本建設業連合会(日建連)と全国建設業協会(全建)、全国中小建設業協会(全中建)、建設産業専門団体連合会(建専連)の建設業主要4団体は建設現場の土日一斉閉所に向け、初となる共同での全国運動に乗りだした。4月から建設業に適用される時間外労働上限規制を契機に、4団体が団結して官民全工事で土日の週休2日定着を目指す。
8日に岸田文雄首相や斉藤鉄夫国土交通相、4団体の首脳らが出席し首相官邸で開かれた意見交換会で、全建の奥村太加典会長が報告した。
全国運動の名称は「目指せ!建設現場 土日一斉閉所」。当面の運動期間は1年間とし随時更新する。
従来の現場一斉閉所運動は土曜日の公共工事現場に限定し、都道府県または地域ブロック単位で行うことが多かった。4団体もそれぞれ各地域の運動に参加するか判断している。
時間外労働上限規制は平日の残業に加え、通常日曜日を除く法定外休日出勤もカウントされる。4団体は時間外労働を削減するため土曜日を確実に休めるようにすることが有効と考えた。採用試験で土日の週休2日取得を最も重視するという若者の価値観も考慮。団体の枠を超え初の全国一律となる現場の土日一斉閉所運動を行うことにした。
運動の成果を着実に上げていくためには官民全発注者の理解と協力が不可欠とも判断。関係機関に呼び掛けた結果、総務省と全国知事会、全国市長会、全国町村会、経団連、日本商工会議所が後援する。国交、厚生労働両省にも申請している。
現場やオフィスなどに貼るPR用のポスターも作成。土日一斉閉所のイメージキャラクターとして「やすみん」と名付けた、かわいいクマのイラストを掲載。暖かい季節に活動し寒い季節は長い間冬眠するクマの特性からオン・オフをしっかりと切り替えるめりはりの大切さを訴えている。ポスターは4団体が各会員・支部に必要枚数を配る。
日建連は発注者に週休2日の適正工期を求める「適正工期確保宣言」、全建も「適正工期見積り運動」を展開中。今回の全国運動でさらなる後押しを促す。全中建は週休2日工事があまり普及していない市町村工事への普及、建専連は週休2日に関する職人の意識向上を見込む。業界一丸の全国土日一斉閉所運動により、持続可能で魅力ある新4K(給与・休暇・希望・かっこいい)産業への変革を強力に後押しする。
一方で官民の工事量などが異なる地域の事情も尊重。従来と同様、都道府県単位ではまず公共工事現場の一斉土日閉所を優先するような運動の展開も各地域の判断に任せる。

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