原発事故避難者今2万6千人、総理:廃炉進める

 岸田文雄総理は東日本大震災、東電福島第一原発事故から13年となった11日、東日本大震災追悼復興祈念式に追悼の辞を述べ「原発事故の影響により、いまだ多くの方々が避難生活を余儀なくされています。ふるさとに帰還することのできない方々を始め、被災された全ての皆様に改めて心からお見舞いを申し上げます」と発信した。

 岸田総理は「原子力災害からの復興に向けては中長期的な対応が必要。引き続き、国が前面に立って復興の前提となる東京電力福島第一原子力発電所の安全かつ着実な廃炉とともに、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援に取組んでいく」とした。

 また「昨年4月には『創造的復興の中核拠点』を目指す福島国際研究教育機構(F-REI:エフレイ)が設立され歩みを進めている。引き続き、福島の本格的な復興・再生、東北の復興に全力を尽くしていく」と福島第一原発の廃炉、原発事故による避難者の帰還への生活環境整備、生業の再生支援に努めるとした。

 原発事故による避難者は今年2月に至っても2万6277人に上っている。福島県双葉町では除染されずにいまだ8割以上が「帰還困難区域」。

 TBSが3月9日の「報道特集」で原発事故前に50頭ほどの牛を飼育していた女性を紹介したシーン。牛舎の中で救助の術なく置き去りにされ、ミイラ化した、あまりに残酷で悲しい牛たちが画像に流れた。

 東京電力や原発再稼働を進める政府に改めて怒りを覚えた人は少なくないだろう。TBSの「報道特集:地震と原発政策」は17日12時まで無料配信されている。「是非、見ていただきたい。その価値がある報道だった」との声が多い。(編集担当:森高龍二)

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