春になると頭が痛くなるのはなぜ?「春の頭痛」の効果的な予防法

春になると気候や環境の変化の影響で、頭痛に悩む方が少なくありません。いつものことだから、と市販薬で対処しても根本的な解決にはつながらず、この先ずっと頭痛とつき合わなければならなくなる可能性もあります。

この記事では、春の頭痛のメカニズムや種類、そして効果的な予防法についてあんしん漢方の管理栄養士がご紹介します。

春に頭痛が増える理由

春先に頭痛が増える理由はさまざまですが、そのなかでも気温や気圧の変化、花粉の影響が大きいようです。

気温や気圧などの気候の変化は自律神経のバランスを乱す場合があります。自律神経は意識しなくても働き、呼吸や血流、内臓やメンタルなど全身の機能の調整をする神経です。

気温や気圧の変化を強く意識することはないと思いますが、気づかないうちにからだが負担を感じ、自律神経が影響を受けることで頭痛などの不調が生じるといわれています。

また、花粉症は花粉に過剰反応して炎症が起こるアレルギー症状の総称ですが、炎症が鼻の奥の副鼻腔にまで広がると、頭痛を感じやすくなります。

疲れている、十分に眠れていない、日常的にストレスを感じているという方は、より大きく影響を受けることがあるようなので、生活全体の見直しが大切です。

頭痛にも種類がある

頭痛にはさまざまな種類があり、その原因や症状も異なります。頭痛のタイプによって対処法も変わるため、自分の症状に合った対策を見つけることが大切です。

代表的な緊張型頭痛や片頭痛について詳しくみてみましょう。

1.緊張型頭痛

緊張型頭痛は頭や首、肩の筋肉の緊張から起こると考えられています。

長時間、同じ姿勢でいたりストレスを感じ続けたりすることで、首や頭の筋肉に負担がかかり、緊張が高まります。 そうすると、筋肉の血流が悪化して炎症が起こり、痛み物質であるプロスタグランジンなどが産生されることで、頭痛が起こるとされているのです。

2.片頭痛

片頭痛は血管が拡張しすぎることで起こる頭痛です。原因ははっきりとはわかっておらず、男性より女性に多いことが知られています。強いストレスが続いている状態や、強いストレスから解放されたときにも起こりやすいため、休日に頭痛を感じる場合は片頭痛の可能性があります。

症状がひどくなると寝込んでしまう場合もあるので、早めの対処が大切です。

春の頭痛の予防法

春の頭痛を予防するためには、日常生活に工夫を取り入れることが重要です。すぐにできる予防法を3つご紹介します。

1.週1回有酸素運動を取り入れる

定期的な有酸素運動は、自律神経のバランスを整え、頭痛の発生を抑制する効果が期待できます。また、有酸素運動によって血行が促進されると、頭痛が和らぎやすくなる点にも注目です。

スポーツが好きであれば積極的におこなうのもいいでしょう。運動が苦手であれば、外出時は徒歩や自転車にする、駐車スペースは入り口から遠いところを選ぶ、屋内でも座りっぱなしにならないように30分に1回は立ち上がる、などからだを動かす機会を増やすようにしましょう。

2.ビタミンCを摂る

ビタミンCは抗酸化作用があり、体内で炎症を起こしづらくしたり、起きた炎症をすみやかに抑えたりすることで、頭痛の予防や改善が期待できる栄養素です。

ビタミンCを多く含む食材はキウイフルーツやいちごなどの果実類、赤ピーマンやブロッコリーなどの野菜類、じゃがいもやさつまいもなどのいも類です。

ビタミンCは体内にためておけない栄養素なので、まとめてたっぷり摂るのではなく、1日3回の食事のなかで定期的に摂り続けましょう。

3.朝食を摂る

朝食を摂ることで、体内時計がリセットされ、自律神経のバランスも整いやすくなります。また、睡眠中の絶食後に朝食を摂ることで栄養補給ができ、体温をスムーズに上げて血流を促すことにもつながります。

朝の食欲がない場合は、夕食の見直しが有効です。夕食は寝る3時間前までに食べ終わるようにしましょう。難しい場合は、消化に時間のかかる脂質や動物性たんぱく質が多いおかずを控えめにして、ごはんとお味噌汁のようにシンプルな夕食にするのがおすすめ。そうすることで朝食を食べやすくなるでしょう。

飲むだけケアできる漢方薬

春の頭痛には漢方薬の活用も選択肢のひとつです。

漢方薬は飲むだけでからだのケアができるので、食事や運動などの生活習慣の改善がすぐにはできない、という忙しい方でも簡単に始められます。

頭痛対策には「血流をよくして筋肉の緊張による頭痛を改善し、脳に栄養や酸素を届ける」「水分の循環をよくして頭痛の原因となる脳の浮腫みを解消する」「冷えや疲労によるホルモンバランスの乱れを改善する」「自律神経のバランスを整え、ストレスによる頭痛を改善する」といった漢方薬を選び、根本改善を目指します。

頭痛におすすめの漢方薬

・葛根湯(かっこんとう):からだを温め、血流をよくすることで首や背中のこりをほぐし、頭痛を軽減します。とくに、緊張型頭痛と呼ばれるタイプの頭痛には有効です。比較的体力がある方におすすめです。

・呉茱萸湯(ごしゅゆとう):体内で滞った冷えを取り除き、からだを温めて頭痛を鎮めます。頭痛を伴う吐き気や、胃腸が弱い方の頭痛によく用いられます。

漢方薬は、自分の症状や体質に適したものを選ぶことが重要です。自分に合わない漢方薬を使っても効果を実感しにくく、場合によっては副作用が出ることもあるので注意しましょう。

適した漢方薬を見極めるのは難しいため、漢方に精通した医師や薬剤師に相談するのが安心です。

スマホで気軽に専門家に悩みを話せる「あんしん漢方」のような、オンライン個別相談も話題です。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロが効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれるオンライン漢方サービス。

お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

春の頭痛のメカニズムや種類、そして効果的な予防法を紹介しました。自分の体調や症状に合った対策を見つけ、健康的で快適な生活を送りましょう。頭痛でお困りの方は、早めの対処が重要です。

参考リンク

・大正製薬株式会社「ALLER-LAB」花粉症 症状やタイプ別に適切な対策を

・公益財団法人長寿科学振興財団「健康長寿ネット」ビタミンCの働きと1日の摂取量

<この記事を書いた人>

あんしん漢方 管理栄養士
小原水月(おはらみづき)

管理栄養士・健康食育シニアマスター。社員食堂で300以上の料理を修得、ダイエット合宿所・特定保健検診の業務に携わり600人以上の食事と生活習慣改善を個別サポート。

自身の出産後の体調不良から食事と漢方で体調改善/増進の経験を生かし、栄養学と漢方を合わせたサポートを得意とする。「心も体も食べたものだけで作られる」をモットーに簡単で時間もお金もかけずに元気になれるレシピを発信中。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行っている。

(ハピママ*/ あんしん漢方)

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