日田彦山線BRT、下校時間帯の高校ルート増便 JR九州が16日にダイヤ初改正【大分県】

昭和学園高前の停留所からBRTバスに乗る生徒=2月22日午後5時ごろ、日田市日ノ出町

 【日田】JR九州は16日、日田彦山線のバス高速輸送システム(BRT)「ひこぼしライン」のダイヤを初めて改正する。日田市中心部の2ルートのうち、高校前を通るルートで下校時間帯の便数を増やす。登校時間帯は学校の朝学習に間に合うよう、1便の出発を早める。昨年8月の開業から半年間の利用状況などを踏まえた。高校生からは歓迎の声が聞かれる。

 市中心部では、JR日田駅前発の「上り」は、停車するバス停が少ない「直行ルート」と、四つの高校近くを走る「高校ルート」がある。

 同社は昨年8月28日の開業から半年間、乗降客の利用状況の把握、地元自治体、関係者への聞き取りを実施。高校生は土曜日やテスト期間といった授業が午前中に終わる日は午後の早い時間帯、部活動後の夜に需要があることが分かった。

 ダイヤ改正により、午後の3便(1時台、3時台、9時台)を直行ルートから高校ルートに変更する。全体の便数は変わらない。現在、各高の生徒はこの時間帯、約1~2キロ離れた日田駅まで歩いているという。

 福岡県東峰村からBRTで通学している昭和学園高1年の熊谷菖那(しょうな)さん(16)は「学校そばの停留所から乗れる便が増えるのはうれしい。雨の日も助かる」と歓迎する。

 通学時間帯の「下り」は、午前7時台1便の出発を5分繰り上げる。朝学習がある日田高では道路混雑でバスが遅れた場合、間に合わないケースがあるため。「現在は遅れないように約1時間早い始発便に乗る生徒もいる。改正はありがたい」と同校。

 バスのBRTは鉄道と比べて、ルートの変更などがしやすい利点もある。

 JR九州広報室は「開業から約半年で利用状況が見えてきた。今後も地元の意見を聞きながら、利便性向上に努める」と話している。

<メモ>

 JR日田彦山線は2017年7月の福岡・大分豪雨で添田(福岡県添田町)―夜明(日田市)間の約30キロが不通になった。同区間はBRT「ひこぼしライン」として復旧し、日田市中心部まで乗り入れるようになった。鉄道当時と比べて駅(停留所)の数は3倍となり、便数は通勤通学の時間帯を中心に約1.5倍に増えた。

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