東日本大震災から13年となった11日、岩手県内各地で黙とうや追悼の祈りをささげた。最愛の家族、大切な友人を思い、花を手向け、静かに手を合わせた。能登半島地震の被災地にも心を寄せ、教訓をつなぎ、共に明日を生きていくと誓った。
広田湾を望む陸前高田市気仙町の高田松原津波復興祈念公園には、多くの人が訪れ犠牲者を悼んだ。夫の秀二さん=当時(52)=を失った奥州市水沢の森岡睦子さん(63)は「子どもたちや孫も元気に育ってるよ」と最愛の人へ語りかけ、そっと花を手向けた。震災から13年がたち、ようやく気持ちが落ち着いてきたといい「夫も安心して見ていると思います」。
震災による県内の被害は2月末現在、死者4674人、関連死471人、行方不明者1107人。復興ハード整備は787カ所で完了し、残るのは2027年3月完成予定の閉伊川水門(宮古市)のみとなっている。