最愛の人へ祈り続ける 東日本大震災から13年

東日本大震災で亡くなった夫秀二さんへ花を手向ける森岡睦子さん(左)。「子どもたちや孫も元気に育ってるよ」と呼びかけた=11日午後1時46分、陸前高田市気仙町・高田松原津波復興祈念公園

 東日本大震災から13年となった11日、岩手県内各地で黙とうや追悼の祈りをささげた。最愛の家族、大切な友人を思い、花を手向け、静かに手を合わせた。能登半島地震の被災地にも心を寄せ、教訓をつなぎ、共に明日を生きていくと誓った。

 広田湾を望む陸前高田市気仙町の高田松原津波復興祈念公園には、多くの人が訪れ犠牲者を悼んだ。夫の秀二さん=当時(52)=を失った奥州市水沢の森岡睦子さん(63)は「子どもたちや孫も元気に育ってるよ」と最愛の人へ語りかけ、そっと花を手向けた。震災から13年がたち、ようやく気持ちが落ち着いてきたといい「夫も安心して見ていると思います」。

 震災による県内の被害は2月末現在、死者4674人、関連死471人、行方不明者1107人。復興ハード整備は787カ所で完了し、残るのは2027年3月完成予定の閉伊川水門(宮古市)のみとなっている。

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