東日本大震災から13年 毎年福島県へ修学旅行に訪れる、島原中央高生ら黙とう 被災地の記憶継承誓う

東日本大震災発生時刻の午後2時46分、犠牲者への黙とうをささげる島原中央高生=島原市、同校

 東日本大震災の被災地、福島県を修学旅行で毎年訪れる島原中央高(長崎県島原市)の生徒らが11日、同校で黙とうをささげ、災害の記憶の継承を誓った。
 同校は、43人の犠牲者が出た1991年6月3日の雲仙・普賢岳大火砕流で壊滅的な打撃を受けた同市安中地区にあり、翌日から約2カ月休校。その後、地区外の仮設校舎で約5カ月の授業を余儀なくされた。
 同県への修学旅行は、噴火災害時の支援への恩返しと防災学習の一環で、今年10年目。1月末から、震災による大規模地滑りで13人が亡くなった同県白河市葉ノ木平地区などを2年生が訪問。同地区の復興記念公園で犠牲者を追悼した。
 11日は1、2年生各クラスで福島の被災者との交流を振り返る映像記録を視聴し、午後2時46分のサイレン音に合わせて黙とう。生徒会長の吉田瑛さん(17)は「地滑り現場は家々をつぶしたがけが崩れたままになっており、圧倒された。父母から普賢岳噴火災害のことを聞いていたが、世代をまたいで身の回りにある危険を知り、伝えていくことが大切だと思った」と話した。

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