東日本大震災13年 姿勢低く、頭守れ 大地震想定し訓練 茨城・高萩市 #知り続ける

机の下に入り、身を守る児童たち=高萩市島名

東日本大震災から13年を迎えた11日、茨城県高萩市は大地震を想定し、その場で身を守る行動を取る「シェイクアウト訓練」を実施した。市内の小中学校や事業所、自主防災組織などの団体や個人計1705人が参加し、命を守るための動作を確認した。

同市は震災時に震度6強と高さ約3メートルの津波を観測。市内の被害は、河川に逆流した津波による浸水被害28件をはじめ、死者1人、建物全壊は205棟に上った。市は2013年度から、震災を巡る記憶の風化防止や災害時の安全行動の確認を目的に同訓練を実施。家屋の倒壊や家具の落下に対して身を守る方法として「姿勢低く、頭を守り、動かない」を呼びかけている。

この日は午後0時45分に、市内の防災行政無線とコミュニティー放送局「たかはぎFM」の電波で、訓練の「地震発生」が伝えられた。同市島名の市立秋山小では、全児童318人がシェイクアウト訓練に参加。「地震発生」を知らされた児童たちは、一斉に机の下に潜り、揺れが収まるまでの約1分間、自らの身を守った。

「震災を経験していない子どもたち。訓練を通して怖さを知ってほしかった」と久保田将彦校長。「対応法を身に付け、防災意識が高まった」と訓練の価値を強調した。5年生の鈴木政貴君(11)は「(震災が)実際に起きたら怖いと思った。頭を隠し、命を守っていきたい」と話した。

市危機対策課は「災害への備えは大切。忘れないために今後も訓練を継続する」としている。大部勝規市長は「あの痛みを風化させてはならない。災害への備えを市民と共に強化していきたい」と述べた。

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