【震災・原発事故13年】北陸の人に恩返しを 福島大生の有志がボランティアに出発

石川県に向かうバスの車内で、東日本大震災の発生時刻に合わせて黙とうする福島大の学生

 北陸の人に恩返しを―。福島大の学生有志29人は11日、能登半島地震の被災地支援のため石川県に向けて出発した。午後2時46分にバスの車中で黙とうをささげた。ともに歩もうと現地の被災者に心を寄せ、復興の力になると誓う。

 12、13の両日、家屋の倒壊などの被害があった七尾市で、がれきの片付けや家財の運び出しなどのボランティア活動に当たる。学生代表で人間発達文化学類2年の菅野萌久(めぐ)さん(20)は出発式で「福島県内は石川県の学生をはじめ、多くの人たちに支えられたと先輩方に聞いた」とあいさつした。

 福島市出身。原発事故の影響で、小学時代は外遊びを制限される日々が続いた。県外で開かれた野外イベントに参加した際、ボランティアの学生に優しく接してもらったのが心に残っている。福島大進学後、災害ボランティアセンターに所属し、被災地の支援活動に取り組んでいる。「現地でしっかり話を聞き、必要な支援が何かを考えたい」と語る。

 宮城県石巻市出身で人間発達文化学類1年の村岡諒彦(あきひこ)さん(19)は、東日本大震災の津波で被災し、約1カ月、避難所暮らしを経験した。「ボランティアに支えてもらったことに感謝している。能登で困っている人の力になりたい」と言葉に力を込めた。

© 株式会社福島民報社