佐々木朗希「メジャー挑戦」には何が"足りない"のか 「まだまだ未完成」指摘の要因

ロッテ・佐々木朗希が順調な調整ぶりを見せている。

走者を背負いつつも無失点で切り抜け

2024年3月10日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)にオープン戦初登板すると、3回5奪三振無失点。4安打3四死球と制球が定まらず、毎回のように走者を背負ったが本塁は踏ませない。

初回に先頭打者・柳田悠岐に右中間二塁打を浴びたが、2死一、三塁のピンチで5番・ウォーカーを142キロのフォークで空振り三振。2回1死二、三塁では、甲斐拓也を157キロの直球で見逃し三振、今宮健太をフォークで三振と投球のギアを上げた。

3回2死一、二塁のピンチも動じずに川村友斗を直球で二ゴロに仕留めて降板。直球は自己最速の157キロを計測した。

昨オフはポスティング・システムでメジャー挑戦の意向が報じられ、春季キャンプ目前に契約更改して大きな反響を呼んだ。

「必要なのは1年間を通じて投げ切る体の強さ」

最速165キロの直球、150キロ近い高速フォーク、キレ味が増したスライダーは異次元で「メジャーでも十分に通用する」という見方が多いが、米国に駐在する記者は「彼に必要なのは1年間を通じて投げ切る体の強さだと思います。プロ4年間で規定投球回数に到達したシーズンが1度もないのは、まだまだ未完成だということ。能力の高さに体が追い付いていない。今年は先発ローテションを1度も離脱せず、稼働してほしいですね。規定投球回数をクリアすれば、勝ち星や防御率など数字はおのずとついてくると思います」と期待を込める。

昨年も7月下旬に左内腹斜筋の肉離れで1カ月半戦線離脱するなど、15試合登板で投球回数は91イニングにとどまった。7勝4敗、防御率1.78は立派な数字だが、球界を代表する投手として佐々木に求める水準が高い。今年は真のエースになれるか。(中町顕吾)

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