八王子酒場の要所6選~使い勝手抜群な良店揃いなのだ~

老若男女が集うビッグターミナルだけあって、多彩なジャンルが揃う酒場の宝庫である一方、シンボリックな店は多くない八王子。そこで、新店を含めて個性の光る良店を厳選。
ここを押さえておけば、どんな時も困りません!

縁をつないできたワインと野菜を大切に。『grege(グレージュ)』[京王八王子]

カウンター席の奥には広々としたテーブル席がある。
趣のあるカウンター席。
店主 小高直斗さん(右)とスタッフ 熊谷さゆさん。「20種以上のワインをグラスで楽しめます!」。

「今のお店があるのは、いろんな方とのご縁のおかげ」と話す店主の小高直斗さん。群馬県嬬恋村のホウレンソウとの出合いから野菜のおいしさに目覚め、自宅の大家さんの畑を手伝い始めて野菜も自家栽培するように。同時期に知り合った宮城県川崎町のワイナリー『アルフィオーレ』は、優しい味が野菜を活かした料理とぴったり。白玉粉とレモンの生地で包んだサーモンのクレープをはじめ、センスの光る料理にもファンが多い。

サーモンのクレープ800円。
トマトのうまみが効いたラムのシシカバブ2400円。
緑なすのブレゼ1200円は豆腐とグリーンオリーブのソース、マスカットの一体感が絶品。
千夢ワイナリーの「織」。体になじむようなやわらかい味に驚く。グラスワインは800円~。
健全な土壌を育み、自園でのブドウ栽培にも取り組んでいる『アルフィオーレ』のワインボトル。

『grege』店舗詳細

grege(グレージュ) 住所:東京都八王子市東町1-11 久保田ビル101/営業時間:12:00~14:00LO・18:00~23:00LO(フード)/定休日:不定休(Instagramを参照)/アクセス:京王電鉄京王線京王八王子駅から徒歩3分

ぜいたくに貝づくしもよし、サク飲みだけでもOK。『八王子 貝介』[八王子]

コの字カウンターでBGMはラジオ。タイラガイの海苔巻きを手渡しするお通しもユニーク。「サプライズのおもてなしもお楽しみに!」。
貝刺3点盛1500円、焼き蛤 4個1000円、おでんおまかせ盛り 3種700円。日本酒は500円~。

貝刺に煎り酒を付けて味わうと、貝の持ち味が引き立ちながら、ほどよいアクセントとなる梅の塩味が絶妙だ。貝は日替わりで約10種類揃い、刺し身や焼き貝のほか、おでんの具に加わることも。さらに、ポテサラや酢の物、おひたしなど軽い酒の肴もあり、貝料理店だから高級でしょ、と思ったら大間違い。「つまみとお酒一杯だけでも大歓迎!」とは、店長の曽根原達夫さん。食事中のちょっとした気配りにも心をつかまれる。

痛風鍋 1人2200円。味噌を合わせたあん肝を溶かして味わう。
どぶ漬けでキンキンに冷えた瓶ビールのほか、ワインもいち押し。

『八王子 貝介』店舗詳細

八王子 貝介 住所:東京都八王子市三崎町6-15 清水ビル1F/営業時間:16:00~22:00LO/定休日:無/アクセス:JR八王子駅から徒歩4分

『TRATTORIA 福祐(ふくすけ)』はワインも食材もメイドイン長野[八王子]

オレンジの壁が印象的な店内。オーナーシェフの内野さん「長野ワイン応援団として、八王子でがんばります!」。
信州プレミアム牛のステーキ4950円はイチヂクの甘みがポイント。グラスワインは1000円~。

野菜に惹(ひ)かれて長野に移住した経験がある、オーナーシェフの内野祐子さん。現在も、元修業先のイタリアンと掛け持ちで働いていた長野の八百屋から届く野菜を使い、魚や肉の料理には必ず旬の味覚が添えられる。メヒカリのフリットのソースも、フルーツトマトの甘みとミョウガの苦味が効いていて、野菜ソースをお代わりしたくなるおいしさ。ワインもほぼ長野県産。少量生産が多く随時入れ替わるので、偶然の出合いを楽しみたい。

メヒカリのフリット1100円。
長野県佐久市のボスケのチーズ。
内野さんが働いていたレストランのワイナリー「Vino della Gatta SAKAKI」のワインも。

『TRATTORIA 福祐(ふくすけ)』店舗詳細

TRATTORIA 福祐(トラットリア ふくすけ) 住所:東京都八王子市横山町11-12 ムサシビル2F/営業時間:18:00~22:00LO/定休日:日・月/アクセス:JR八王子駅から徒歩7分

ウイスキーバーのイメージが変わる! 『呑食(のみくい)ウイスケ』[京王八王子]

スコットランドと日本のモルトウイスキーが中心。八王子生まれのハチオウジンなどクラフトジンも用意。「食事から締めの一杯まで、ここだけで完結します!」。
ゆったりと過ごせるテーブル席もある。

大きな窓のある開放的な空間で、店主の日高將智さんもキャップをかぶったラフな装い。まるでカフェのようだが、壁には300本以上が並ぶウイスキー専門店だ。「うちは洋風居酒屋。食事にウイスキーを合わせる感覚で楽しんでほしくて、とことんカジュアルにしました」と、日高さん。パスタやカレーなどおなかを満たすフードも充実していて、食事のお供にウイスキーもイケると実感。ハイボールは各種580円など手ごろな価格なので、ウイスキー初心者もぜひ!

魚介のトマトソースパスタ1080円。
燻製うずら煮卵300円など小皿も充実。
フィッシュ&チップス980円。
シェパーズパイ980円。
グレンモーレンジィやイチローズモルトの希少種も。

『呑食ウイスケ』店舗詳細

呑食ウイスケ(のみくいウイスケ) 住所:東京都八王子市明神町3-21-7 タバタビル2F/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:00LO(フード)/定休日:日・祝と土の昼(月が祝の場合は翌火)/アクセス:京王電鉄京王線京王八王子駅から徒歩1分

『中町(なかちょう)食堂』は、居心地の良さだけでなく使い勝手も進化中[八王子]

築50年前後の一軒家を改装したという店内。厨房は浴室だった場所だそう。「夜は居酒屋風のつまみがもっと増える予定です!」。
まったりくつろげる2階も人気。

築50年前後の一軒家を改装した趣あふれる空間。一見しゃれたメニューが多そうだが、ラムハンバーグやアンチョビを利かせた海老ワンタンなど、フレンチシェフの経験を活かした料理だけでなく和や中華のつまみも揃い、バラエティー豊かなのだ。飲み物は自然派ワインのほか、2018年頃から始めた自社ブルワリー『TOKYO OLDBOYS BREWING』のビールも飲めるようになり、楽しみ方がどんどん広がっている。

自社ビール3種、ゲストビール1種の4タップ。
クラフトビール858円、海老ワンタンのアンチョビ焦がしバターソース825円。
サーモンとアボカドの醬油麹和え825円。
あらびきラムハンバーグ1628円。
オリジナルの瓶ビールのほか、ボトルワインは赤・白・オレンジも。

『中町食堂』店舗詳細

中町食堂(なかちょうしょくどう) 住所:東京都八王子市中町2-15/営業時間:11:00~15:00・17:00~22:30LO/定休日:月(祝の場合は営業、翌火休)/アクセス:JR八王子駅から徒歩5分

多彩な餃子をつまみに、気軽に一杯からどうぞ。『七福』[八王子]

スタッフとのおしゃべりを楽しみに来る人も多い。黒板メニューには新作も登場。
焼き餃子 4個400円、肉焼売 4個520円。飲み物のおすすめは焼酎500円~。定番の白波や黒霧島などのほか、メニューにない銘柄も。

八王子の人気バー『SEVEN’S ROOM』で好評だった焼き餃子を看板メニューに。粗挽きの国産もち豚をたっぷり包んだ厚めのもちもち生地が自慢だ。「ふらっと来てもらえるように、ひっそりオープンしたんですよ」と笑う、オーナーの七里徹さん。使い勝手がいいように、軽くつまめる中華つまみが充実している。系列店の『SEVEN’S ROOM』や『FINE』などの常連客が立ち寄ることも多く、和気あいあいとした雰囲気が魅力。

じわじわ辛さが広がる麻婆豆腐880円。
ラム肉とパクチーの水餃子4個520円。
エビニラ饅頭2個480円。

『七福』店舗詳細

七福 住所:東京都八王子市子安町1-6-12 井上マンション1F/営業時間:16:00~23:00LO/定休日:無/アクセス:JR八王子駅から徒歩4分

取材・文=井島加恵 撮影=高野尚人
『散歩の達人』2023年11月号より

© 株式会社交通新聞社